倉庫のフォークリフトをロボットで自動化するVecnaが74.5億円調達

倉庫の自動化を急ぐ中で、フォークリフトの存在を無視することはできない。重い荷物を持ち上げるためにはもちろん重機が必要だが、こうしたシステムは事故に巻き込まれることで有名で、米国だけでも毎年数万件のフォークリフト事故が報告されている。

マサチューセッツ州に本社を置くVecna Robotics(ベクナ・ロボティクス)は、パレット移動などのフォークリフト中心の倉庫作業に自動化を導入しようとしている企業の1つだ。パンデミックが米国で流行する直前の2020年1月に実施したシリーズBですでに5000万ドル(約57億2000万円)を調達し、結果資金調達額は6000万ドル(約68億7000万円)を超えていた。この数字は今回のシリーズCで倍以上となった。

(ということで、もちろん)Tiger Global Managementが6500万ドル(約74億5000万円)のラウンドをリードし、既存の投資家であるBlackhorn Ventures、Highland Capital Partners、Tectonic Ventures、Drive Capital、Fontinalis Partnersに加え、新たにLineage Logistics、Proficio Capital Partners、Impulseなどが参加した。

同社は前回のラウンドの資金で、CEOのCraig Malloy(クレイグ・マロイ)氏やCMOのJosh Kivenko(ジョシュ・キベンコ)氏を含むかなりの数の人材を採用していた。この新たな資金が何に使われるのかについて、キベンコ氏は次のように語っている。

世界中で50億台以上のパレットが500万台以上のフォークリフトと500万人近くの手動オペレーターによって動かされているので、自動化された資材ハンドリングには成長の余地が十分にあるのです。今回のような著名で支援的な投資家グループが主導するこの投資を使うことで、工場や倉庫のような資材ハンドリング環境におけるスループット向上への飽くなき要求に応えるために、ロードマップを加速しより迅速に市場にソリューションを提供することが可能になります。

Vecnaによれば、今回の資金はソフトウェアおよびハードウェアの研究開発、注文の確実な処理、事業の拡大に使用されるという。同社が、新型コロナウイルスのパンデミックと広がる人材不足のために、投資家から関心が高まっているロボット企業の1つであることは間違いない。

画像クレジット:Vecna Robotics

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(文:Brian Heater 、翻訳:sako)

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TechCrunch Japan

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