倉庫業務の自動化を手がけるNimble Roboticsが約54.6億円調達

倉庫の自動化を手がけるNimble Robotics(ニンブル・ロボティクス)は米国時間3月11日、シリーズA資金調達ラウンドで5000万ドル(約54億6000万円)を調達したと発表した。

DNS Capital(DNSキャピタル)とGSR Ventures(GSRベンチャーズ)が主導し、 Accel(アクセル)とReinvent Capital(リインヴェント・キャピタル)が参加したこのラウンドで調達した資金は、同社が2021年中に従業員数を倍増させるために使われる予定だ。

スタンフォード大学の博士課程に在籍していたSimon Kalouche(サイモン・カルーシュ)氏が設立した同社のシステムは、深層模倣学習を利用している。これはロボット工学の研究では一般的な概念で、システムが模倣によってマッピングされ、改善されていく仕組みだ。

「研究室に5年間置いておき、このロボットのアプリケーションを作り上げてから最終的に現実世界で展開するのではなく、私たちは今日、展開しています」と、カルーシュ氏は語る。「これは完全な自律型ではなく、現時点では90〜95%程度の自律型です。残りの5~10%は人間のオペレーターが遠隔操作でサポートしますが、初日から信頼性が高く、1万日後も信頼性が高いと思います」。

Nimble Roboticsは、新型コロナウイルス感染流行による追い風を受けたロボット企業の1つだ。ウイルスの流行は、電子商取引の爆発的な成長と自動化に対する関心の高まりを引き起こし、倉庫のフルフィルメント業務に関するテクノロジーが著しく盛り上がる要因となった。Nimbleは、自社のシステムを迅速に展開したことからも利を得ている。

「私たちは、独自のロボットによる荷物の選別、配置、梱包を手がけた最初の企業というわけではありませんが、当社は急速に成長し、多くのロボットを現場に配備しています」と、カルーシュ氏はTechCrunchに語った。「多くの人は、ロボットを倉庫の隅に置いています。今、私たちは大量のロボットを導入しており、その数は急速に増えています。これらのロボットは現場で、それぞれのお客様のために、毎日何万もの実際の注文を処理しています」。

同社は今回、大規模な資金調達に加えて、取締役会に2人の目覚ましい人物を迎えた。スタンフォード大学でコンピュータサイエンスのセコイアプロフェッサーという地位に就くFei-Fei Li(李飛飛)氏と、Udacity(ユダシティ)の共同設立者でKitty Hawk(キティホーク)のCEOでもあるSebastian Thrun(セバスチアン・スラン)氏だ。

シード投資家でもある李氏は、このニュースに関連したリリースの中で、次のように述べている。「Nimbleは、信頼性と統合性の問題をどちらも解決します。同社のロボットは、いくつかの世界最大級の小売業者のために、1年以上にわたって、現場で信頼性の高い大規模なピッキング業務を行っています。彼らが開発しているAIを搭載した製品は、顧客である小売業者のために迅速で摩擦のない統合を実現します」。

カテゴリー:ロボティクス
タグ:Nimble Robotics資金調達倉庫

画像クレジット:Nimble Robotics

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

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TechCrunch Japan

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