健康チェック腕時計が浮気や嘘のオーガズムを減らす?

ぼくが使っている健康チェック腕時計は、毎分の心拍数や燃焼熱量、歩いた歩数、そして睡眠中か否かをモニタする。そのデータをほかの人、たとえば妻などが見たら、ぼくがいつエクササイズをしたかが分かる。それだけでなく、ぼくがセックスをしたことや、それがどれだけ激しかったかも分かる。

実際ぼくがたまたま自分の健康腕時計のデータ友だちに見せたとき、その友だちから前夜のぼくの行動をからかわれたことがあるから、明らかに、性的営みに励んでいたかどうかが他人に分かるのだ。

そのときひらめいたのは、こんなデータがあればだれも、浮気に関して配偶者をだましたり、セックスの時感じていないのに感じてるふりをしたりできない、ということだ。健康腕時計のようなものが普及すれば、その日の何時に‘重労働’をしたかが分かってしまう。

セックスの証拠

この腕時計のデータは、毎分の運動量と、睡眠中か否かを記録する。たとえば下の図は、ジムでウェイトリフティングをしたときの燃焼熱量を示している。

上の図で午後7時15分から8時45分までは、燃焼熱量が毎分約5.7カロリーを維持している。また、各時間の歩いた歩数も記録される(下図)。ジムにいた時間帯にやや歩数があるのは、別の場所に移動したりしたからだ。

セックスのときのパターンは、これらと全然違う。燃焼熱量の山場が最初と最後にある、ツインピークス形状になるのだ(下図)。つまり、始まりと終わりに動きが激しい、ということだね。なお、この間の歩数はゼロである、念のため。

ぼくが既婚者なら、妻は上の図の午前1時7分から2時までの燃焼熱量のピークと、その間の歩行がゼロであること、その直後に睡眠に入っていることを見て、何これ?と問いただすかもしれない。夫婦でFacebookやメールのアカウント、ときにはパスワードまで共有している人は多い。前夜のぼくの運動量を見た人なら誰もが、ぼくが一汗かくあの仕事をしていたことに気づくだろう。

浮気を昼間、ラブホテルなどで行って、そのときの激しいカロリー燃焼をジムに行ってたと主張することもできる。しかし実際には、上で述べたように、セックスとウェイトリフティングでは燃焼熱量のパターンが違う。ウェイトリフティングだけでなく、短距離走もヨガも武道もカポエイラも、TRXもスピンクラスも買い物も家の掃除も、その熱量燃焼の形はセックスに似ていない。

たとえば、下図の上はビクラムヨガ、下はスピンクラスの場合だ:

健康チェック腕時計や類似のガジェットは、機種によって出力にくせがある。たとえばBodyMediaのメーカーは、カロリー燃焼の波の激しいサーキットトレーニング(クロスフィットなど)では記録が不正確になる、と認めている。

たしかにBodyMediaの記録は、ぼく自身の体感とは違っている。でも実は、記録の精度は問題ではない。どの機種でも、ふつうのエクササイズとセックスとでは経時的な燃焼パターンが違うから、すぐに見分けが付くのだ。だから真っ昼間に不道徳な行為に及んでいたとしても、簡単にばれてしまう。

この種の健康チェックガジェットは、入浴時やシャワーのときも含めて一日の全時間装着するタイプだから、外したら外していたことが分かる。しかも今後は使い捨てのパッチが主流になると思われるから、充電も取り外すことも不要だ。

女遊びの常習犯は、特殊なソフトウェアをインストールして、にせのデータ出力を作るかもしれない。でも、予期せぬ一時的な浮気などでは、それは無理だ。健康チェック腕時計をふつうに使っているかぎり、セックス特有のパターンがどうしても記録されてしまうのだ。あなたは、奥さんの追及から逃げられない。

感じたふりもできない

このような健康チェックが普及すると、浮気だけでなく、オーガズムのふりも燃焼熱量データからばれてしまう。Basisウォッチのように心拍数と発汗量を記録する機種なら、感じたふりは、さらにばれやすい。

下の図では、赤い線が心拍数、青が発汗を表す。午前1時20分から2時にかけて心拍数は100台に上がり、その期間の終わりごろから、皮膚の発汗量(1センチあたりの導電率を表すマイクロジーメンス)が平常時のほぼ10倍に上がっている。このとき確かにぼくは、みだらな行為をしていたのだ。

“そのふり”をしただけでは、心拍数や発汗量は本物のオーガズムほど上がらないだろう。

Basisの心拍数データは精度があまり高くないが、しかしそれでも、その初代のバージョンですら、あのときの絶頂の有無は分かるだろう。相手が死んだ魚のように横になっていただけなら、一貫してフラットなグラフになるはずだ。

それに、以上述べてきたことは、シリアスな浮気発見とか、にせオーガズムの検知といった深刻な問題ではなく、本当に仲の良いカップルが遊びに応用できるし、またお互いの記録とその経時変化を話題として楽しめる。

テクノロジの未来に関して楽観的なぼくなんかは、こうやってセックスがオープンになり透明になることは大歓迎だ。率直でない、正直でない関係って、やる方もやられる方も疲れるからね。でもテクノロジ嫌いの人たちにとっては、これらの製品や技術はパンドラの箱を開けることになるだろう。

いずれにしても、このような透明性は必ずやってくる。この記事を読んでから、配偶者に対して実際に試してみる人もいるかもしれない。健康チェック腕時計を着けていようといまいと、浮気をする人は一定の確率で必ずいるんだから。

〔余計な訳注: この記事はまじめな記事としてではなく、週末のお楽しみジョーク記事として読んだ方がよい。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


投稿者:

TechCrunch Japan

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