先週のUS注目記事―Googleマップの検索に不満の声、Snapchatに「保護観察20年」

バージョンアップ後のGoogleマップに不満の声

Googleマップはわれわれを見捨てた

Googleは長らくベータテストしていたGoogleマップの新UIを標準として公開した。ところが、新バージョンのGoogleマップに対して「検索精度が大幅に落ちている」という不満の声が上がっている。Jon Evans記者によると住んでいるカナダの町でハンバーガーショップを検索したところ、アーカンソー州の店が表示されたという。コメント欄にも同様の不満が並んだ。

Evans記者が挙げている”Sambisa Forrest”について実験してみたところ不具合が確認された。”Sambisa”と入力すると”Sambisa Forrest”を含むナイジェリアの地名が候補に表示されるのに、”Sambisa Forrest”と入力すると「見つかりませんでした」となってしまう。

Evans記者はその他にもいっこうに修正されないGoogleのバグの例を挙げ、「縄張り争いと官僚主義」が犯人ではないかと疑っている。

あとGoogleマップでは位置履歴が突然かけ離れた場所を表示するという問題がある。東京にいたのに東北の位置が紛れこんだりして信頼性が低い。これもなんとかしてもらいたい。

Galaxy S5のデザインはやはり不評らしい

Samsungのモバイル・デザインのトップがS5の不評のため辞任

裏にディンプルの入ったS5筐体は見るからに奇異な感じだったが、やはり評判が悪かったようだ。Note 3のレザー風の裏張りも「手にべたつく」とやはり評判が悪い。Galaxyシリーズは売れ行きは依然として好調でシェアも伸ばしているが、2013年第4四半期以降、利益は落ち込んでいる。マーケティング費用がかさんだことが減益の一因のようだ。

 

Snapchat、20年間の「保護観察」処分を食う

Snapchat、ユーザー・プライバシーで不当表示した件でFTCと和解

SnapchatはFind Friend機能の脆弱性から、昨年末に460万件の個人情報が漏洩した。この大失態に加えて、Snapchatアプリにおけるプライバシーの取扱い関して「消費者に誤解を与えるような説明をした」ことを重くみて、FTC(連邦取引委員会)はSnapchatに対する処分を検討していた。

話し合いの結果、Snapchatはプライバシー保護のための新しい計画を立てるなど消費者保護のための改革を行い、第三者による順守監査を今後20年に渡って受けいるなどの条件でFTCと和解した。将来、同様の違反を繰り返すと巨額の罰金を課せられるかもしれないという。

Snapchatは「表示した後、すぐその場消滅するインスタント・メッセージ」を売り物にしてティーンエージャーを中心に人気を得たが、実際にはスクリーンキャプチャー、専用アプリ、あるいは別のカメラで写真を撮るなどの方法で簡単にデータが保存できた。ファウンダーのEvan Spiegelはこの点をブログなどで述べていたが、App StoreやPlay Storeでの説明が不十分だったと判断された。またGibson ResarchからFind Friendの脆弱性を指摘されていたのに無視し、その結果大量の個人情報流出を招いた点についてもFTCに厳しく警告れた。

 

投資とM&A

最近のUS記事からテクノロジー系の投資と企業買収の主だったところを見てみよう。

Google Venturesがガン情報のスタートアップFlatiron Healthに対する1億3000万ドルのシリーズBラウンドをリード 

Flatiron Healthは世界の腫瘍医療機関をネットワークしてガンに関するデータをリアルタイムで収集、共有するプラットフォームで、現在ベータ運用中。Google関係ではファウンダーのサーゲイ・ブリンが妻(現在別居中)で生化学者のアン・ウォージツキーが創立したDNA解析サービス、23&Meに個人として出資しているが、こちらは機関としての投資で、またGoogle Venturesで最大規模の投資だという。Googleの医療、健康関連の動きにも注目だ。

GEが産業インフラのセキュリティー企業、Wurldtechを買収

SymantecのBrian Dye上級副社長は「アンチウィルスソフトは攻撃の45%しか防げない。(従来の)アンチウィルスは死んだ」と発言して注目を集めた。ウェブサイトやサーバへの不正侵入が報じられない日はないくらいだが、電力網や石油コンビナートなどの大規模産業インフラに対するサイバー攻撃は社会と経済に絶大な損害を与える。GEは自社のシステムにWurldtechのソリューションを組み込むと同時にモノのインターネットのセキュリティー確保のためにサードパーティーにも提供していく。買収額は不明。

Intel、Ginger Softwareからパーソナル・アシスタント・プラットフォーム事業を3000万ドルで買収

Intelはイスラエルの自然言語処理のスタートアップ、Ginger SoftwareのPA(パーソナル・アシスタント)のための自然言語処理とそれに関連テクノロジー資産を買収した。AppleのSiriに対抗してIntelはGingerをPAのプラットフォームとする。買収額は1000-2000万ドル程度。

滑川海彦 Facebook Google+


投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。