公園など公共施設の現状調査をクラウドソーシングで行うGoogle系アプリ

Googleと同様にAlphabet(アルファベット)子会社で都市計画をサービスとして提供するSidewalk Labs米国時間3月29日、公共施設観察アプリのCommonSpaceをローンチした。公園の管理者や有志のコミュニティメンバーなどが、このアプリを利用して身近な公共施設に関する観察や所見を入力してまとめ、それらを何らかの活動に結びつけていく。

あるスペースに関心を持った人たちが、そのスペースのためのウェブ上のポータルを作る。まとめ役(オーガナイザー)はその研究事業のパラメータを定義し、何のためにどんなデータを集めるのかを説明する。そしてメンバーはシフト制のグループに分かれて、データを記録していく。目標は、人びとがさまざまな公共のスペースをどのように利用しているのかを発見し、今後の整備事業につなげていくことだ。

SidewalkのシニアエンジニアであるAnanta Pandey氏がブログでこう言っている。「このアプリはデータを、オープンなデータ規格のPublic Life Data Protocol形式で記録するから、いろんな公共施設のデータと比較できる。CommonSpaceアプリで集めたデータは、視覚化や分析を行うツールに容易にエクスポートできる。コミュニティや施設の管理者は、それらのツールの出力を見て、一定のパターンを発見したり、問題点を見つけたり、今後必要な整備事業のための予算獲得説得用の証拠を得ることができる」。なお、Public Life Data Protocolは、ニューヨークの都市計画研究所のGehl Instituteとその創設に関わった市町村や民間パートナーにより策定された。

ただし公共施設のために集めるデータやパラメータにはプライバシーに関わるものもある。Sidewalk Labsはこの問題に関して、それはPrivacy by Designに準じており、とくに、CommonSpaceの視野に入った傍観者や見物人の個人情報は収集しない、と言っている。

昨年の秋にトロントの公園でパイロットテストを行ったこのアプリは、今ではAndroidiOSの両方で利用できる。

画像クレジット: Sidewalk Labs

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。