公的介護保険では支援が受けられない在宅介護ニーズと介護士をマッチングする「イチロウ」のLINKが1億円調達

オーダーメイド介護サービス「イチロウ」を提供するLINKは11月11日、プレシリーズAラウンドとして、政策金融公庫の融資を含め総額1億円の資金調達の実施を発表した。引受先は、既存投資家のブラッククローキャピタル、三井住友海上キャピタル、マネックスベンチャーズに、コムレイズインキュベート、LITALICOが加わっている。調達した資金により、オペレーション構築・システム開発といったサービス基盤とマーケティングの強化を加速する。

イチロウは、公的介護保険では支援が受けられない在宅介護ニーズに対して、オンライン上で介護士をマッチングし派遣するサービス。インターネットを活用した効率的なオペレーションで最短5分という素早いマッチングに加えて、公的介護保険適用外への対応に特化することで、利用制限のない介護サービスを提供する。これまで4500回以上のマッチングを行ない、99%というマッチング率を実現しているという。

同社によると、公的介護保険による訪問介護サービスは、介護保険法により内容が定められており介護を希望する本人や家族の求めるニーズに応えきれていないという。例えば、1時間以上の介護を受けたりできず、電球の交換など介護保険法で認められていないサービス内容は利用できない。またアナログな仕組みにより、サービスを利用するまでに1週間以上かかるなど、リアルタイム性が求められる在宅介護におけるニーズに応えられていない。イチロウは、こうした公的介護保険では対応しきれなかった介護のラストワンマイルをかなえるための取り組みを続けていくとしている。

LINKは、介護現場を10年以上経験した水野友喜氏が2017年4月に設立したスタートアップ。「年間10万人の介護離職の課題」「介護士の低所得・人材不足の課題」といった介護の社会問題をインターネットを活用したデジタル視点で解決することを目指し、介護業界のDXに取り組んでいる。

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TechCrunch Japan

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