再び注目が集まる3Dプリント技術FormlabsがソフトバンクのVision Fund 2などから約160億円調達

3Dプリント業界で大規模な資金調達があった。マサチューセッツ州拠点のFormlabs(フォームラブズ)が5月19日、1億5000万ドル(約160億円)のシリーズEを発表した。同ラウンドはSoftBank(ソフトバンク)のVision Fund 2がリードし、Formlabsの評価額はユニコーンの2倍、20億ドル(約2180億円)となった。

このニュースは、かつて窮地に陥っていた産業がかなりの関心と資金を引き寄せて復活を果たす中でのものだ。注目すべきDesktop Metal、Shapeways、Velo3D、MarkforgedなどはすべてSPAC(特別買収目的会社)経由で上場する計画を発表した。Formlabsは、業界が2026年までに510億ドル(約5兆5570億円)超の規模に達すると予測する最近の研究に言及している。テクノロジーの進化、素材の多様化、そして企業が付加製造を大量生産に取り入れる方法を模索していることを反映している。

MIT Media Labの学生によって2011年に創業されたFormlabsは3Dプリント業界においては変わり種的存在だった。同社はそれまでの付加製造(光造形法)の手法をデスクトップのフォームファクタに変えた。それは業界がバブル崩壊する中で同社が存続し続けるのに十分なものだった。

「現代においては、大半の3Dプリント技術は幅広く浸透するにはまだ高価で扱いにくいものです」とCEOのMax Lobovsky(マックス・ラボフスキー)氏は資金調達に関するプレスリリースで述べた。「当社はユーザーエクスペリエンスとこれらの機器の質の向上にピンポイントでフォーカスしており、その一方で価格抑制は当社の成功ならびに業界の成長にとって重要です。今回調達した資金で、SLAとSLSのテクノロジーの現在のポートフォリオを拡大し、引き続き3Dプリント産業に注がれている期待に応えるために製品開発を加速させる計画です」。

大型ラウンドで獲得した資金は、世界の従業員数の増加、そして大半の3Dプリント技術にとって長い間障害だった大量生産向けテクノロジーの展開にも使われる。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:3DプリントFormlabs資金調達SoftBank Vision Fundユニコーン企業

画像クレジット:Formlabs

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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