写真を撮ればそれだけで3Dモデリングが行えるMatterport

実在の空間を正確な3Dモデルにするのは、何万ドルも費用がかかるし、何週間もとまでは言わないまでも、それなりの日数のかかる作業だった。この状況を大きく変えてしまおうとするのがMatterportというスタートアップだ。4500ドルのカメラを使って、数分間で物体や空間の3Dモデリングを行うことができると主張している。さらに操作も非常に簡単で、iPadが利用できる人なら誰でも操作できるとのこと。3Dモデリングを非常に身近なものとしてくれるのだそうだ。

あまりに魅力的な主張を行っていて、眉唾ものだと感じる人もいるだろう。そんなわけでMatterportをTechCrunchのヘッドクオーターに招き、TechCrunch TVの控室の3Dモデルを作成してもらうことにした。その様子は上のビデオでもご覧いただける。

MatterportのCEOであるBill Brownはインタビューに応えて、このプロダクトは3種類の人に大きなメリットになるのではないかと語っていた。まず建築業界のマネージャー職にある人など、設計業務に携わる人だ。あるいはイベントスペースやエンターテインメント施設などのオーナーにもメリットがあるはずだとのこと。または内装関係の仕事を行っている人も、室内設備の配置換えなどを検討することができるだろうとしている。

ちなみに、Matterportは現在でもかなりの小型化がなされていて、そのサイズと使いやすさが大きな魅力であると考える人も多い。しかしBrownによれば、現在のものはあくまでも「初期型」であると述べている。Matterportのシステムはスマートフォンサイズのものになる日も近いのだそうだ。「Matterportは、誰もが3Dセンサーをポケットに入れて持ち運ぶというような状況を目指して生み出されました。現在の2D写真にかわって、誰もが3D写真を撮影するような日がくるのではないかと考えているのです」。

また、Matterportも参加している、GoogleのProject Tangoについても話をしていた。曰く、3Dキャプチャーの技術は、当初思い描いたよりも素早く展開し始めていると感じているそうだ。「最初のモバイル(3Dモデリング)デバイスが年内に登場してもおかしくない状況になっています。少なくとも数年のうちには、一般的なデバイスという位置付けになるものと思われます」とのこと。

現在のMatterportデバイスは、まだポケットに収まるようなものにはなっていない。しかし確かに宣伝文句にそった性能をみせてくれている。行ってもらったデモで、撮影に要した時間は20分未満だ。そしてナビゲート可能な3Dイメージにまとめあげるのも数時間で行うことができた。どんな具合のものであるかは、これもまた上のビデオに掲載してある。フライスルーなども行うことができ、その様子は下のビデオで確認することができる。

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(翻訳:Maeda, H