利用状況を可視化する福利厚生プラットフォーム「TUNAG」が2.8億円調達

多くの企業は社員の福利厚生制度の一環として、書籍購入制度や英会話のレッスンやエンターテイメント施設の割引特権などを用意しているだろう。しかし、どのような制度があるか社員がきちんと把握している会社は少なそうだ。私自身も社会人になってから1、2回しかそうしたサービスを利用したことがない。また、これまで会社側としても社員がどの程度福利厚生制度を利用しているか把握する効率的な方法がなかった。愛知に拠点を置くスタメンは、そうした課題を解決するクラウド福利厚生プラットフォーム「TUNAG」を提供している。スタメンはTUNAGのサービス強化を図るため、本日総額2.8億円となる第三者割当増資を発表した。引受先はジャフコ、中京テレビ放送、DGインキュベーションおよび複数のエンジェル投資家だ。

社員はTUNAGのウェブサービス内から福利厚生制度の利用の申請から上長の承認、報告まで一環して行うことが可能だ。福利厚生制度の利用に関するやりとりは全てウェブサービス上で一括管理できるため、企業は福利厚生制度がどれくらい利用されているかや予算管理、経理処理といったデータを見ながら制度の改廃を管理できるようになる。

ただ、いくら制度があっても社員に利用されなければ意味がないだろう。TUNAGのもう一つの特徴は、Facebookのようなタイムラインがあり、社員同士のコミュニケーションを活性化する点だ。ここには社員が制度を利用したことなどを投稿したり、部内のメンバーを制度利用に招待したりすることができる(例えば、部内の懇親会補助制度の利用に部署のメンバーを招待するなど)。

TUNAGでは、通常版とカフェテリアプランの2つのプランを用意している。通常版では、TUNAGのコンサルタントが企業の要望を聞き取って、その会社にぴったりの福利厚生制度を作成するプランだ。TUNAGではその会社の経営課題を解決できる福利厚生制度を提案するという。例えば、複数拠点持つ会社で社員同士の交流を促したい会社は懇親会の補助制度だったり、採用の強化を目指す会社は採用候補者との会食補助制度だったり、それぞれの課題にあった制度を提案する。カフェテリアプランでは、社員はポイント制で使いたい制度を利用できる仕組みを採用している。

2016年1月に創業したスタメンは、2017年1月からTUNAGの本格展開を始めた。料金プランは従業員数別に用意している。スタートアップ(サービス導入費5万円+月額9万8000円)、スタンダード(サービス導入費10万円+社員1名あたり900円)、エンタープライズプラン(サービス導入費30万円+社員1名あたり800円)の3つだ。

まだ本格展開してから3ヶ月ほどだが、IT系企業をはじめ、人材や製造業の会社からの引き合いが増えているとスタメンの広報担当者は話す。今回の調達は、シナジーが期待できる会社からの出資を受けたと話す。調達資金はサービス開発、福利厚生のコンテンツの拡充や営業活動に充てる計画だという。

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TechCrunch Japan

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