動物と飼い主と獣医師にとって快適な動物病院を目指すModern Animal

ペットと飼い主と獣医師の三者を平等に幸福にしたいと願うスタートアップであるModern Animal(モダン・アニマル)が、1350万ドル(約14億6700万円)のシード資金を獲得して来年初めに、米国ロサンゼルスに最初の開院を目指す。シードラウンドをリードしたのはFounders Fundで、Upfront VenturesやSusa Venturesなどが参加した。

創業者のSteven Eidelman(スティーブン・エデルマン)氏は、前に犬の運動量を測るスタートアップWhistle(ホイッスル)を創業し、のちにそれをPetcare(ペットケア)に売却した。Modern Animalは、次世代の動物病院を目指している。ペットのためのOne Medicalと考えてもいいかもしれない。獣医師は全員がフルタイムの正社員で、同社の株を保有する。

エデルマン氏はTechCrunchに対して「One Medicalと似ているといえば、うちもテクノロジーとデザインの両面でケアのあり方を抜本的に変えようとしている。One Medicalとの共通点は多い」と語る。

Modern Animalを率いるのは獣医学博士のChristie Long(クリスティ・ロング)氏で、前はペットショップ大手のPetcoの獣医学部長だった人だ。Modern Animalは年額100ドルの会費制で、すべての検査が無料、ネット利用も含め1日24時間週7日のケア、アプリからの処方リクエストとデリバリー、などのサービスを提供する。そのほかの診療サービスは有料だ。

エデルマン氏は「弊社の目標は市場に合わせることなので、高額なペットケアサービスは提供しない。最良のケアをもっとも効率のいいシステムで提供したい。長期的な低コストを支えるのは、そのような効率性だ」と説明する。

Modern Animalの最初の診療所は歯科と外科もあるが、入院サービスはない。同氏による「緊急治療室のようなものはないし、そのための専門医もいない。高度なケアが必要な動物には、救急医や専門医を紹介する」とのこと。

同社は、今後の5年間で米国に50カ所の開院を目指している。どの院も環境への配慮を重視し、例えばフロントで電話の呼び出し音がけたたましく鳴ったりしない。犬と猫を同じ場所に居させない。犬は平気でも猫アレルギーの人とか、その逆もいるからだ。また動物たちの間にも、さまざまな相性がある。

「動物のための安全で快適な環境を作りたい。それに動物病院では、本当に優れたケアは人間へのケアも含む」とエデルマン氏は主張する。

画像クレジット: TechCrunch/MRD

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。