包括的メンズヘルスケア「Manual」が米国と欧州の投資家から33.1億円のシリーズAを調達

男性向けヘルスウェルビーイングのスタートアップManualは、米国のSonoma BrandsとWaldencast、および同社の欧州における既存投資家であるFelix CapitalとCherry Venturesから、3000万ドル(約33億1000万円)のシリーズAを調達した。このラウンドには、FJ LabsとGISEV Family Officeも参加した。今回の資金は、同社の製品開発および国際的な事業拡大に使用される。Manualは、診断、治療、継続的なケアを提供しており、ヨーロッパ、アジア、ラテンアメリカでの展開を計画している。同社はすでにブラジルに進出している。

Manualは、同じく英国に拠点を置くNuman(1300万ドル / 約14億3000万円を調達)と競合している(ManualはNumanより1カ月早く立ち上げられた)。また米国では、Ro(8億7610万ドル / 約967億円を調達)やHims(上場)と競合している。これらのブランドはいずれも、ビタミンやED(勃起不全)などの問題に焦点を当てている傾向があり、男性がさまざまな面でよりよいセルフケアをすべきであるという考えを「ノーマライズ(一般化)」し、性的健康に関するスティグマを取り除くという、よくあるリフレインを掲げている。Manualは血液検査などを行い、心臓の健康、腸の健康、テストステロン、睡眠、エネルギー、免疫力を分析する。男性は歴史的に医者を敬遠する傾向があるため、Manualは大きな市場を狙っている。

Manualのアプリ

創業者兼CEOのGeorge Pallis(ジョージ・パリス)氏は、これまでWise(ワイズ)やDeliverooでマーケティングを担当していた人物だ。声明の中で同氏は次のように述べた。「幅広い年齢層の男性が、複数の健康問題を解決するためにManualを利用するようになってきたことは、我々にとって大きな励みとなっています。1つの健康問題には1つ以上の原因があることは明らかであり、当社はお客様に、より包括的な方法で健康を管理する能力を提供することができます。さまざまな治療法を用いて、お客様の健康状態を理解し、改善することができるのです」。

インタビューの中で、パリス氏はこう付け加えた。「当社は独自の遠隔診療製品を構築し、血液検査の提供にはさまざまなアプリケーションを用意しています。血液検査の結果が出たときには、臨床医がすべてのデータとその意味を説明します。また、進捗状況を確認したり、医療チームと定期的に連絡を取ることができるツールも用意しています」。

Felix Capitalの共同設立者兼パートナーであるAntoine Nussenbaum(アントワン・ヌッセンバウム)氏は次のように述べている。「男性が自分の健康に気を配り、健康上の懸念について率直に話すことに対するタブーを取り除くには、まだまだやるべきことがたくさんあります。しかし、消費者の間では変化が起き始めています」。

Sonoma Brandsのマネージングディレクター、Kevin Murphy(ケビン・マーフィー)氏はこうコメントしている。「Manualは、男性が自分自身をより大切にし、より充実した人生を送れるようにするために存在しています。ジョージ(・パリス)と彼のチームは、明確なビジョンとスキルを持っており、Manualをこのエキサイティングで重要な分野のリーダーにすることができるでしょう」。

カテゴリー:ヘルステック
タグ:Manual資金調達

画像クレジット:Manual

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(文:Mike Butcher、翻訳:Aya Nakazato)

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TechCrunch Japan

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