医師・看護師が遠隔管理できる在宅透析用AIモニタリング「PD Doctor’s Eye」のMETRICAが1億円調達

在宅腹膜透析用AIモニタリングツール「PD Doctor’s Eye」のMETRICAが総額1億円の資金調達を実施

「医療の常識をアップデートしよう」をミッションに、AIとエッジコンピューティング技術を中心とした医療ITソリューションを開発・提供するMETRICA(メトリカ)は8月11日、第三者割当増資による総額1億円の資金調達を実施したことを発表した。引受先は、D4V、山口キャピタル、SFCフォーラムファンド、スカイランドベンチャーズ、インキュベイトファンド、ライフタイムベンチャーズ。

末期腎不全の患者は、血中の老廃物や余分な水分を取り除くために人工透析を行う必要があるが、腹膜透析(PD。Peritoneal Dialysis)は患者が自宅で行える治療法として、特にコロナ禍で在宅療養が求められる現在注目が集まっているという。しかし、日本におけるPDの普及率は、血液透析を含めた全透析患者の3%に過ぎないそうだ。そこでMETRICAは、「PD現場の課題を解決することでPD普及を促し、日本の透析現場の最適化を目指す」と話す。

METRICAは、医師と看護師がPD患者を遠隔で管理できるAI搭載モニタリングツール「PD Doctor’s Eye」を開発し、東京都内の病院や訪問看護ステーションなどに導入してきた。腹膜透析は、お腹にカテーテル(管)を設置して腹膜内に透析液を流し込み、腹膜から染み出た老廃物や余計な水分とともに排出することで透析を行うという仕組みで、PD Doctor’s Eyeの場合カメラによる画像解析により、液交換手順を支援したり異常を検知したりできる。また、カテーテルが外に出る部分(出口部)の状態も画像解析で数値化し評価できるようにする。病院と患者との遠隔での連携や、訪問看護師や介護士への患者補足情報の提供なども行えるというものだ。

今回調達した資金で、全国各地の医療機関、訪問看護ステーションにこのサービスを導入し、「臨床研究とモデル創り」を進めてゆくとのこと。

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カテゴリー:ヘルステック
タグ:医療 / 治療(用語)遠隔医療(用語)画像解析(用語)METRICA(企業)資金調達(用語)日本(国・地域)

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