印決済大手Paytmの元トップ幹部が自身のスタートアップで金融初心者向けサービスを起業

インドで最も価値のあるスタートアップであるPaytmの金融サービスブティックを築いた経営者が、似たようなことをもう一度やり直そうとしている。

Paytm Moneyの元CEOであるPravin Jadhav(プラヴィン・ジャダヴ)氏はインド時間2月25日、自身のスタートアップであるRaise Financial Servicesを発表した。

ジャダヴ氏のリーダーシップの下、PaytmのMoneyツールは600万人以上のユーザーを集めた。同氏は今回は、異なるユーザー層にサービスを提供することに重点を置くという。

今日、インドでは何億人ものユーザーが金融サービスにアクセスできていない。彼らはクレジットカードを持っておらず、銀行から融資も受けられず、保険に加入したこともなければ、投資信託や株式に投資したこともない。

現在、インドの多くの大企業や新興企業は、申請者の信用度を判断するために代替データを使用できる引受技術を構築することで、これらのユーザーにリーチしようとしている。それは不確実性、仮定、そして希望の柱の上に築かれた、タフで資本集約的なビジネスだ。

TechCrunchとのインタビューに対してジャダヴ氏は、Raise Financial Servicesは主要都市圏、Tier1、Tier2の都市(つまり都市部とその周辺)に住む顧客を対象にしていると述べた。「これらの人々は金融商品を欲しがっていて、どんな商品があるかリテラシーがありますが、提供されるべきサービスを受けていません」。

Paytmの創設者でありCEOであるVijay Shekhar Sharma(ヴィジャイ・シェーカル・シャルマ)氏とプラヴィン・ジャダヴ氏(左)。Jadhav氏は2020年にPaytmを退職した(画像クレジット:Paytm)

同氏の新しいスタートアップは投資、融資、保険、ウェルス、決済などの金融サービス全般にわたる商品を提供する予定だという。「銀行業はインフラストラクチャーの分野だと思っているので、その部分には手を出しません」と同氏は語った。

「目指すのは、誰も提供していない非常に優れた商品を提供することです。2つ目は、テック主導の流通に重点を置くこと。そして3つ目は、今日、カスタマーサービスの経験の質が市場全体で悪いということです。当社はそれを解決しようとしています」と同氏はいう。「時間とともに、これらすべてをつなぎ合わせていけるよう努力します」。

ジャダヴ氏はまた、彼がシードラウンドを調達したことを発表した。同氏は金額を公表していないが、十二分な数の著名投資家を明らかにした。CREDの創設者Kunal Shah(クナル・シャー)氏、FlipkartのCEOであるKalyan Krishnamurthy(カリヤン・クリシュナムルシー)氏、Udaanの共同創設者Amod Malviya(アモッド・マルヴィヤ)氏とSujeet Kumar(スジート・クマール)氏、PhonePeのCEOとCTOであるSameer Nigam(サミーア・ニガム)氏とRahul Chari(ラフル・チャリ)氏、Pine LabsのCEOでCitrus Payのオーナー・CEOであったAmrish Rau(アムリッシュ・ラウ)氏、Freechargeの創設者Sandeep Tandon(サンディープ・タンドン)氏、Jupiterの創設者兼CEOであるJitendra Gupta(ジテンドラ・グプタ)氏、Freshworksの創設者兼CEOであるGirish Mathrubootham(ギリッシュ・マトルボッサム)氏、WazirXの創設者兼CEOであるNischal Shetty(ニッシャル・シェッティ)氏、ClevertapのSVPであるKuldeep Dhankar(クルディープ・ダンカール)氏、Servifyの創設者兼CEOであるSreevatsa Prabhakar(スレーヴァツァ・プラバカール)氏、そしてWalnutの創設者兼CEOであるAmit Bhor(アミット・ボー)がこのラウンドに参加している。

ジャダヴ氏自身も出資しており、今回のラウンドはベンチャー投資家のMirae Asset Ventureが主導した。Multi-Act Private Equity、Blume Ventures(Founder’s Fund経由)、そして米国を拠点とするアーリーステージ投資家のSocial Leverageが参加しており、Social Leverageにとってはこれがインドでの初投資となる。

Mirae Asset Ventureのインド事業CEOであるAshish Dave(アシッシュ・デイブ)氏はTechCrunchの取材に対し、ジャダヴ氏のことは前から知っていたが、彼が手を差し伸べるきっかけとなったのは、Clubhouse(クラブハウス)のさまざまなセッションでジャダヴ氏の話を聞いたことだったと語った。

ジャダヴ氏は、ユーザーにはこのスタートアップの最初の製品が年内に稼働することを期待してもらえると語った(TechCrunchはもっと早くローンチされると理解している。Raise Financial Servicesが提供するサービスは、SoFiやGoldman Sachs(ゴールドマン・サックス)のMarcusといくつか類似点があると予想される)。

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カテゴリー:フィンテック
タグ:Raise Financial Servicesインド

画像クレジット:Sanjit Das / Bloomberg / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Aya Nakazato)

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TechCrunch Japan

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