友人知人の転職を支援して報酬がもらえる「SCOUTER」約6100万円を調達—開発やマーケティングを強化

左からクルーズ代表取締役社長の小渕宏二氏、SCOUTER代表取締役社長の中嶋汰朗氏

左からクルーズ代表取締役社長の小渕宏二氏、SCOUTER代表取締役社長の中嶋汰朗氏

ソーシャルヘッドハンティング「SCOUTER」を運営するRENOは9月6日、プレシリーズAラウンドでクルーズ、イーストベンチャーズ、三菱UFJキャピタルを引受先とした総額約6100万円の第三者割当増資を実施。同時に社名をサービス名のSCOUTERに変更することを明らかにした。

2016年4月からサービスを開始したSCOUTERは、紹介者としてユーザー登録し審査を通過した「スカウター」が、知人・友人など身の回りの転職希望者を企業に紹介することを支援。無事採用が決まれば、紹介者が転職者の年収の5%(最低15万円から)を報酬として受け取れる、という人材紹介業界では異色のシステムを採用している。企業側は求人情報を無料で登録することができ、広告費をかけずに採用活動を行うことが可能だ。採用が成功した場合、SCOUTER社は転職者の年収の30%を上限とした手数料を受け取り、転職者にも紹介者と同額の祝い金が支払われる。

SCOUTER代表取締役の中嶋汰朗氏によれば、スカウターによる紹介の特徴は「転職を考えてはいるがまだ活動を始めておらず、人材紹介サイトにも未登録の潜在層」や「ヘッドハンターから声がかかり、口コミだけでも次の就職先を決められるような優秀な人材」が集まりやすいことだという。「役員クラスの転職者紹介で、1社目で双方合意して転職が決まった例もある。紹介された転職者が転職後にスカウター登録して知人を紹介するという連鎖反応も起きている」(中嶋氏)

サービス開始から4カ月が経過し、スカウターの数は400人を数え、サービス内に掲載されている求人数も累計1500件を超えた。

中嶋氏はサービス成長の要因について「職種や年収などの条件だけでなく、転職者の人柄を知るスカウターが本当に合う企業を選んで紹介できることだ。スカウターのレポートを見ると『子どもが生まれたので働き方を変えたい』『今の会社のここが合わないので転職を考えている』といった転職者のリアルなニーズが浮かび上がる。他のエージェントではなかなか言えないようなことも本音で話せるのでミスマッチも起こりにくく、人間的な魅力が伝えやすいのだろう」と話す。

SCOUTERでは、今回の調達により開発体制とマーケティング施策を強化。SCOUTERサービスを事業展開の主軸に据えるべく社名を変更し、一層の事業拡大を図る。

「世界最大級の人材紹介エージェントとして、紹介者数で5000名を超える規模のサービスを目指す」と中嶋氏。「そのためスカウターの手間を軽減すべく、簡単な紹介でも登録ができるようにしたい。また現在は職業紹介事業者としてサービスを提供する上で、スカウターには当社と雇用契約を結んでもらっているが、2016年内には雇用契約なしで人材紹介には当たらない活動ができるコースも用意する予定で、副業を禁止されているビジネスマンでも参加できる形にする。さらに新卒者向けのサービス展開も準備している」(中嶋氏)

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TechCrunch Japan

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