地球に戻れない火星探査機キュリオシティが自分のために誕生日ソングを歌う

この記事は、Mars Curiosity Roverの誕生日祝いとしてはちょっと遅い。彼が赤い惑星に上陸したのは1年前の8月5日だった。ここでは遅れの埋め合わせとして、Florence Tanの話をビデオでご紹介しよう。彼女はこの無人機の船上にある化学実験室の室長だ。このビデオでは、同機にコマンドを送って、彼に自力で”Happy Birthday”を歌わせた経緯を説明している。

それは、今週のネット上のビデオの中でもっとも奇跡的な作品であると同時に、ある意味ではもっとも悲しい。この火星探査機は、化学装置の中で土壌のサンプルを動かすために使う振動板を使って、歌っている。その歌声は、リズムは間延びしていておかしいけど、音程は合っている。

これもまた、人類の偉業、かもしれない。人類のもっとも先進的な技術の結晶である火星探査機が、荒涼とした火星の大平原で120年前のフォークソングを歌っているのだ。このかわいいロボットはたぶん地球に帰還することはなく、完全な孤独状態で見事な実験を行っている。でも、いちばん驚異的なのは、地球から送られてきたコマンドに応えて、自分を祝う歌を歌っていることだ。要するに、そのときわれわれ地球上の人間も、インターネット的な意味では、小さな探査機と一緒に火星にいて、そしてそのことこそがまさに、彼への最大の誕生日プレゼントだったのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))