培養肉開発のMemphis Meatsがソフトバンクなどから176億円超を調達

動物細胞から肉、シーフード、鶏肉を人工的に製造する技術を開発しているMemphis Meatsは、ソフトバンクグループ、Norwest、さらにシンガポール政府が支援するTemasekといった投資家から、新たな資金1億6100万ドル(約176億5400万円)を調達した。

今回の投資を受け、同社の総資金は1億8000万ドル(約197億3700万円)となった。これまでの投資は、Richard Branson(リチャード・ブランソン)氏、Bill Gates(ビル・ゲイツ)氏、Threshold Ventures、Cargill、Tyson Foods、Finistere、Future Ventures、Kimbal Musk(キンバル・マスク)氏、Fifty Years、CPT Capitalなど、個人および機関投資家から受けていた。

Memphis Meats以外にも、Future Meat Technologies、Aleph Farms、Higher Steaks、Mosa Meat、Meatableといった企業が、培養した細胞から肉を作る技術を探求している。それによって、世界中の森林破壊と気候変動を増長している畜産業を代替することを目指している。

計算生物学、バイオエンジニアリング、材料科学といった領域での革新によって、企業は従来の農業を置き換えることが可能な技術を商業化する機会を得ようとしている。それにより、食品を生産するための二酸化炭素排出量を大きく削減し、非常に豊かな時代をもたらすことができると、投資家たちは期待している。

「誰が最初に製品を市場に供給できるか」という競争は始まっている。

「業界全体にとって、このような規模の投資は、このテクノロジーが、遠い将来の努力目標ではなく、今ここにあるのだという自信を強めてくれるものです。培養肉が、リーズナブルな価格で市販される、という『概念実証』ができれば、さらに関心を集め、この業界への投資も加速するはずです」と、Good Food Instituteの専務取締役であるBruce Friedrich(ブルース・フリードリック)氏は、電子メールで表明している。「これは、まだ非常に新しい業界であり、注意深く見守ることが重要です。培養肉というアイデア自体は、すでに1世紀近く言われてきましたが、最初のプロトタイプが作られたのは、わずか6年前のことなのです」。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

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TechCrunch Japan

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