外はサクサク中はふんわり、トーストの味を上げるRevolution Cookingのスマートトースター、ただし約3万円とお高め

この10年間で数々のスマートなホームガジェットが生まれ、私たちがどれだけ家電にスマートさを求めているかが明らかになった。しかし、こと料理に関しては古いやり方のほうがよい場合が多く、スマート機能は物事をかえって複雑にするだけだったりする。そこに見事なバランスを持ち込んだのが、新登場のRevolution Cooking(レボリューション・クッキング)のR180 High-Speed Smart Toaster(ハイスピード・スマートトースター)だ。価格は299.99ドル(約3万1000円)。正真正銘、テクノロジーによって便利になった家電だ。トースターに必要のない、例えばインターネット接続などの機能は一切省かれている。

概要

Revolution Cooking R180で最もわかりやすい機能は、大きなよく目立つタッチスクリーンだろう。ボタンやスイッチなど、通常の機械的操作はこの画面で行うことになる。また、トーストの状況も画像で示される。まさにこれは、R180をスマートトースターたらしめる一面だろう。しかし同社のInstaGo(インスタゴー)加熱テクノロジーこそが、むしろ最大の差別化ポイントとして取り上げるべきものと考える。

基本的な形状は、ベーグルやハンバーガー用のバンズもゆったり入る広口のスロットを2つ備えたトースターだ。ベーグル、食パン、イングリッシュマフィン、ワッフル、トースターペストリー(Pop-Tartsなどのトーストして食べるお菓子)のモード選択が可能。設定できる加熱モードは、Fresh(生)、Frozen(冷凍)、Reheat(温め)の3つ。焦がし具合は7段階に調整できる。

使っていないときは、スクリーンに時計を表示させておくことができ、ときどきパン屑のトレイを掃除して空にするようにとリマインダーも現れる。

デザインと性能

画像クレジット:Darrell Etherington

R180の工業デザインは、奇抜でも過度に未来的でもなく良好だ。基本的にヘアライン仕上げのステンレス製直方体で、傾斜したクローム仕上げの正面パネルにタッチスクリーンが配されている。キッチンカウンターの上でも間違いなく見栄えが良く、タッチスクリーンの傾斜は立ったまま使うときでも表示がよく見えて、タッチ操作がしやすい。カウンターが混み合っている場合でも、比較的コンパクトなのであまり場所をとらない。

タッチスクリーンの表示は大きくて明るい。静電容量式タッチセンサーを採用しているので、入力に対してとても反応がいい。このインターフェイスで優れた点は、デジタルではあるがシンプルにまとめられているところだ。必要なものがすべて画面の中に収められている。標準的な歯車アイコンで設定が開く。ここには普段は必要ない時刻合わせや、スリープ時に表示される時計のアナログとデジタルの切り替えといった項目が格納されているので、画面がすっきり整理される。

使い方は簡単だ。インターネットの接続設定もアプリのインストールも必要ない。コンセントに電源プラグを差し込むだけで起動し、パンの種類、焦がし具合、加熱モードの設定が画面に現れる。焼きたいパンの種類を表示されるイラストで選択して指でタッチするか、左右にスクロールさせて別のパンを選ぶ。3つの加熱モードから1つ選び、色で示される焦がし具合から、自分の好みにいちばん近いものを選ぶ(ここでの選択に合わせて、すでに設定したパンの画像がアップデートされる)。そしてStart(スタート)ボタンをタップすれば、後は放っておいて忙しい朝のレースを開始できる。

画像クレジット:Darrell Etherington

これはまさにレースだ。Revolutionのこのトースターは最速クラス。同社の宣伝文句からはもっと早く焼けそうな期待があったが、それでも普通のトースターより早いことは疑いない。もう1つの目玉が、Revolutionが謳っている焼け具合の品質だ。パサパサにならずに、焼き上がりの味が向上すると約束している。冷凍パンをこんがり焼くという難しい設定においてもだ。

実をいうと、送ってもらったトースターを初めて試したとき、そうしたRevolutionの主張のことはよくわかっていなかった。しかし、私も私のパートナーも、R180で焼けばどんなパンでもパサパサにならないことにすぐに気がついた。普段使っているブレビルのトースターとまったく違う。ふっくらしていながら、トーストされた部分は黄金色でサクサクだ。意外に聞こえるかも知れないが、Revolutionの主張は実証された。スマートトースターは、トーストの味を良くする。

結論

2枚焼きトースターに300ドル(約3万1000円)というのは、いくらなんでも贅沢すぎると感じられるだろう。たしかに、そのとおりだ。しかし、スマートではない高級トースターも、すでに家電製品の予算の上限を押し上げている。Revolutionの優位性を謳う中の最大の主張は外はサクサク、中はふわふわでパサパサにならないという点だ。そこはしっかりやってくれる。タッチスクリーンのせいで価格が吊り上がっているのはほぼ間違いないだろうが、それによって望みどおりの焼き加減を設定できるハッキリとわかりやすいインターフェイスが実現している。しかも使っていないときは、カウンターの上の置き時計としていい感じに見える。

まとめるなら、Revolutionのスマートトースターは、ほどよくスマートだということ。スマート家電として求められる場所でスマートさを発揮する。ただし、自分がどれだけトーストにこだわっているかを、じっくりとよくよく考えるべき価格ではある。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:スマート家電レビュー

画像クレジット:Darrell Etherington

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(翻訳:金井哲夫)