多国間長距離バス旅行を検索/予約できるBusbudが$9Mを調達

世界中を長距離バスで旅できるバス予約プラットホームBusbudが、シリーズAで900万ドルを調達した。このラウンドのリーダー投資家はOmers VenturesRevolution Venturesの2社、これにiNovia CapitalReal Venturesが参加した。後者(2社)は2013年5月に、Busbudのシードラウンド120万ドルをリードした。〔訳注: 上の図は、7月9日のロンドン→クラカウ(ポーランド)便は、所要時間24時間、ロンドン出発午後3時半、現地到着現地時間で午後4時半、料金137USドル。ロンドン→モスクワなどは、単一の予約では無理なようだ。〕

そのシードラウンドのとき本誌は、Busbudは都市間バス旅行のためのKayakだ、と書いた。このサービスを利用すると、バス会社や旅行会社にいちいち出向いてバス便を探す手間と時間と費用が省けるのだ。しかも、複数の国にまたがり、複数の便を乗り継ぐようなバス旅行は、ふつうのバス会社や旅行会社には手配できない。

この、カナダ・モントリオールのスタートアップは、前回の資金調達から1年あまり経った今、サービスをより充実し、ユーザは検索によって複数の便の時間や費用を比較できるようになった。今ではおよそ1500社のバス会社がスケジュール情報と予約サービスを提供し、その対象都市は89か国10460都市にもおよぶ。サイトのインタフェイスは10の言語と21の通貨をサポートしている。

昨年の5月には、66か国4379都市、10言語、15通貨だった。

今日(米国時間7/9)は資金調達の発表と併せて、イギリスの大手バス会社National Expressとの契約、ならびに目的地都市としてイギリスとヨーロッパの1600の都市を新たに加えたことが発表された。

BusbudのCEO LP Mauriceによると、新たな資金は主に製品開発に充てられ、とくにモバイルアプリ(iOSAndroid)のバージョンアップと、チームの増員に注力する。

“2013年の初めに5名のチームでスタートしたが、今では社員数が30名を超えている。今でも技術やマーケティング、ビジネス開発の分野で社員を増やしている”、とMauriceは語る。

“これまでに、ヨーロッパやラテンアメリカ、北米などで契約バス会社を大きく増やしてきた。今では世界中の1500社あまりのバス会社のスケジュールと互いの乗り継ぎ関係を情報の根幹として利用できる。しかもバス会社や対象都市は、今でも増え続けている”。

“当初はどちらかというと、バス便を検索するサービスだったが、今では予約が主体だ。この勢いを維持して良質な顧客体験を提供して行くためには、プロダクトとチームへのこれまで以上の投資が必要だ”。

同社が契約しているバス会社に関しては、Busbudのサイト上で予約を取れるが、そうでないバスに関してはそのバス会社のWebサイトへ行っていただく。ただし、Busbudのサイト上で直接予約を取れるバスを、これからも増やしていきたい意向だ。

“目標は、あらゆるバス旅行の予約を、完全にうちのサイトで直接取れる状態の確立だ。今でも、うちの売上につながるようなルートの多くは、直接予約だ。バス会社の方としても、コンバージョンレートの高さと優れたユーザ体験(たとえば自分の国の言葉を使える)の提供という点で、うちでの直接予約の方が良いと言っている。しかし一部には、自社でのチケット販売を好むバス会社もあるので、それには合わせている”。

ところでBusbudのユーザ数だが、検索だけ(チケット予約購入なし)を含めると、昨年は100万を突破した。

Omers Venturesの専務Kevin Kimsaは曰く、“Busbudは、グローバルなバス旅行を現代的なマーケットプレースに変えていく革命の先頭に立っている。LPらが作ったそのプラットホームは、業界の指導的なプラットホームであり、誰もがアプリケーションから利用できるサービスを望んでいる今の時代において、まさにその需要に応えている”。

またRevolution Venturesの役員パートナーDavid Goldenは、こう言う: “複数の国にまたがって旅をする人たちは、AからBへ行くための最良の方法を見つけるのに、いつも苦労している。その悩みに対してBusbudは、明快なソリューションを提供する。このような統一的サービスがあれば、各社〜各国〜各バス会社等による市場の分断化も防げる”。

なお今回の投資を機に、KimsaとGoldenがBusbudの取締役会に加わり、Travelocityの元CEO Carl SparksとTripAdvisor/ExpediaのSEO担当VP Luc Levesque、Facebookのラテンアメリカ、ヒスパニック担当VP Alexandre Hohagen、そしてFoundation CapitalのゼネラルパートナーJonathan Ehrlichが、同社のアドバイザーとなる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


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TechCrunch Japan

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