多様な非定型データの分析サービスを提供するSensaiがAndreessen Horowitzらから$900Kを調達

データ分析は帳票などの定型的なデータを対象とすることが多い。しかし企業のペーパーレス化が進み、電子化されたドキュメントが増えるに伴って、非定型的なデータが多くなり、それまでの技術では分析が難しくなる。PalantirやIBM(のWatson)は、非定型的なテキストデータを容易にクェリできる方法を提供しようとしている。そしてこの分野の新人選手Sensaiが今日(米国時間3/31)、ステルスを脱して正式にローンチする。

同社は今日さらに、Andreessen HorowitzとFormation8、Chris Kelly、ValueStream Labsなどからの90万ドルのシード資金の獲得を発表した。ビッグデータ関連のインキュベータData Eliteから巣立った同社は、年内にシリーズAの資金調達を行う予定だ。

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Sensaiは、料金の安さと、データサイエンティストたちにとっての使いやすさで勝負したい、と言っている。月額料金は5000ドルからだが、顧客のニーズに応じて利用プランをカスタマイズできる。また使いやすさの面では、顧客企業の一般社員でも使えるようにする、という。Sensaiは非定型的なデータの分析を得意とするが、競合他社はどちらかというと、それぞれの企業独自の定型的データを扱うところが多い、と同社は主張している。

対象データは内部のファイルやソーシャルメディア、Web上の記事、オンラインの公開ドキュメントなどさまざまだが、それらに対するクェリをユーザがセットアップすると、結果はリアルタイムでSensaiのダッシュボードに現れる。またユーザがカスタマイズした報告書への出力や、APIからの結果取得も可能だ。Sensaiはクラウドサービスとしても、あるいはオンプレミスの展開でも、どちらでも利用できる。

同社によると、そのサービスは人工知能と深層学習(deep learning)の技術を駆使して、ユーザのクェリを非定型ドキュメントの集積に対して適用する。結果はきわめて正確で、またそのシステムは顧客の利用歴から学んでどんどん進化するという。

サービスのクォリティに関する同社の主張を、実際に確認することはできなかったが、でも顧客の中にはSiemensや金融サービスのUBS、資産管理のWorldQuantなどがいる。SiemensはこのサービスをITの監査に利用し、UBSは同社のEvidence Labの調査に利用している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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