大人も子どもも、モーションエンターテインメントで運動不足を解消するNEXのアプリ「Active Arcade」

運動不足が世界で認識されている。成人の4分の3が「体を鍛えることは健康上の利益のために非常に重要」だと考えている一方で、World Health Organization(世界保健機関)によると、成人の4人に1人、そして青少年の81%は身体活動が不十分な状態であるという。またCenters for Disease Control and Prevention(CDC / 米国疾病予防管理センター)によれば、新型コロナウイルス感染症が発生する以前においても、毎日60分間の身体活動を行っていたのは6歳から17歳の子どもで24%に満たなかった。

パンデミックの期間中、在宅勤務やステイホーム運動不足状態を助長した。ほとんどの人は、映画の鑑賞やライブコンサートのストリーミング、ビデオゲームのプレイ、バーチャルパーティーの開催など、動きが最小限に抑えられた座った状態で楽しむエンターテインメントを選んでいる。

誰もがアクティブな遊びへと促されるような新しい方法を生み出し、非アクティブという世界的な問題を解決に導く。サンノゼと香港に拠点を置くモーションエンターテインメントのスタートアップNEX(ネックス)は、それを実現するべく、身体の動きを促すコンテンツとしてモーションエンターテインメントの構築を進めている。同社は、その新しいモバイルAI対話型モーショントラッキングゲームActive Arcadeのローンチに合わせて、2500万ドル(約27億円)のシリーズBラウンドを発表した。

この新たな資金調達は、Blue Pool Capital(ブルー・プール・キャピタル)が主導し、Samsung Ventures(サムスン・ベンチャーズ)、SparkLabs(スパークラボ)、Susquehanna(サスケハナ)の参加を得た。また同ラウンドは、シャン・チーを演じたSimu Liu(シム・リウ)氏、ロサンゼルス・ドジャースのAlbert Pujols(アルバート・プホルス)氏、アーセナルのレジェンドThierry Henry(ティエリ・アンリ)氏、WNBA(米女子プロバスケットボール協会)選手のSabrina Ionescu(サブリナ・イオネスク)氏といったスポーツやエンターテインメント業界のインフルエンサー、そしてYouTube(ユーチューブ)、Dapper Labs(ダッパー・ラボ)、Alchemy(アルケミー)、OpenDoor(オープンドア)、WordPress(ワードプレス)のCEOや創業者、Zendesk(ゼンデスク)、Uber(ウーバー)、MasterClass(マスタークラス)、Facebook(フェイスブック)の幹部ら、ビジネス界のエグゼクティブたちを惹きつけた。

この最新のラウンドは、NEXが2019年にNBA(米プロバスケットボール協会)、Will Smith(ウィル・スミス)氏のDreamers Fund(ドリーマーズ・ファンド)、Alibaba Entrepreneurship Fund(アリババ・アントレプレナーシップ・ファンド)から850万ドル(約9億3300万円)のシリーズAを調達した後に行われたものだ。さらに2018年には、Charmides Capital(カルミデス・キャピタル)、Harris Blitzer Sports & Entertainment Ventures(ハリス・ブリッツァー・スポーツ&エンターテインメント・ベンチャーズ)、およびMandra Capital(マンドラ・キャピタル)、Steve Nash(スティーブ・ナッシュ)氏、Jeremy Lin(ジェレミー・リン)氏、およびMark Cuban(マーク・キューバン)氏から400万ドル(約4億3900万円)のシードラウンドも獲得している。他にもスポーツ、メディア、テクノロジー界の多くのリーダーたちがNEXに関心を寄せている。

今回のシリーズBラウンドで、NEXのこれまでの調達総額は4000万ドル(約44億円)となった。

NEXは、David Lee(デビッド・リー)氏、Philip Lam(フィリップ・ラム)氏、Reggie Chan(レジー・チャン)氏、Tony Sung(トニー・ソン)氏によって2018年に設立された。そのミッションは、Active Arcadeのようなアプリを通じて、受動的な活動を能動的な遊びに変換することにあった。同社の最初のアプリHomeCourtは、200を超える国々でプレイされている。

「座位中心のライフスタイルという、世界中ですでに広く深刻化している問題への関心が、パンデミックにより一層高まっています」と、NEXのCEOで共同創業者のデビッド・リー氏は語っている。「動きながら楽しむことは、遊びの最も純粋な定義の1つです。しかし、昔とは異なり、アクティブな遊びのためのエンゲージメントの基準は、最高のビデオゲームと同等である必要があります。アクセシブルなモーションベースのエンターテインメントが、身体活動を高めることへの世界的なニーズに対する答えであることは、私たちにとって明白でした」。

身体活動のための十分な時間がないという向きもある。だが、真の問題は「余暇時間というのは活動的に、楽しく快適なことをして過ごすもの」という概念が、高価で、時間を消費し、困難なものであると認識されていることにある。

NEXが新しくローンチしたActive Arcadeには、モーションゲームのコレクションが用意されており、子どもから大人まで、ゲームをすることを通じてより多くの動きを得られるようになっている。スマートフォン、タブレット、ノートパソコン、デスクトップなど、カメラを搭載したあらゆるコンピューティングデバイスを介して、誰もがどこからでもアクセスすることが可能だ。

VRヘッドセット、コネクテッドハードウェア、あるいはゲームコンソールのような、高価なギアを必要とする他のモーションベースのエンターテインメント企業のプロダクトとは異なり、NEXは特別な機器やモニター、またはサブスクリプションを必要とすることなく、モーションベースのエンターテインメントアプリを展開している。

誰でも自分の体の動きを使ってActive Arcadeをプレイできる。個々のゲームがそれぞれ異なるゲームプレイ、スタイル、深度を備えているため、どの年齢層や活動レベルのプレイヤーにも適したものが見つかるだろう。

「モーションベースのエンターテインメント業界には、グローバル企業が開発したハイテクのエクササイズプログラムが数多くありますが、そのほとんどは、高価な新しい機器や、険しい習熟曲線を要するものです」と語るのは、NEXで戦略、マーケティングコミュニケーションおよびパートナーシップ担当バイスプレジデントを務めるAlex Wu(アレックス・ウー)氏だ。

NEXは、モバイルおよびビジョンテクノロジーを使用したAIの独自の組み合わせにより、デジタルと物理の世界を融合させ、Active Arcadeのようなゲームを生成可能な携帯電話アプリケーションを構築している。

リー氏によると、同社は2021年夏にActive Arcadeの限定テスト版をローンチしたという。

NEXは2018年、同社初のAIベースのバスケットボールトレーニングアプリHomeCourtをローンチし、Apple(アップル)のiPhoneスペシャルイベントにおいて、スティーブ・ナッシュ氏とともに壇上でデモを行った。

Brooklyn Nets(ブルックリン・ネッツ)のコーチで2度のリーグMVPのSteve Nash(スティーブ・ナッシュ)氏は、次のように述べている。「私は常に、自分が支援できる、自分の価値観に合った企業やプロダクトに投資したいと考えています。子どもや大人の動きを促進し、活動をプレイに変換するNEXのアプローチは、私が心底支持しているミッションです」。

Harris Blitzer Sports & Entertainment VenturesのジェネラルパートナーであるChip Austin(チップ・オースティン)氏は「世界中の人々の活動を遊びに変換していく上で、重大なネクストステップを踏み出したNEXのチームは、これからも私たちの誇りであり続けるでしょう」と語っている。「私たちは、彼らの重要なビジョンを尊重し、そのリーダーシップとテクノロジーに感銘を受けています」。

画像クレジット:NEX

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(文:Kate Park、翻訳:Dragonfly)

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TechCrunch Japan

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