大型新ファンドの組成、エンジェルの活躍、セレブ投資の加速——投資環境の変化をTechCrunch Tokyoで学ぶ

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いよいよ開催まで1週間弱となったスタートアップの祭典「TechCrunch Tokyo 2016」だが、まだご紹介できていなかったセッションをここで紹介しよう。

1日目、11月17日の午後には、「変化するスタートアップ投資、その最新動向」と題したパネルディスカッションが開催される。スタートアップ企業の動きが活発になるのと同時に、ベンチャーキャピタルによる投資も増えてきたのがここ数年のスタートアップエコシステムのトレンドだった。だが最近ではそのトレンドにも変化が起きているという。

1つ例を挙げるならば、国内のスタートアップ投資額は増加しているのに、一方で資金調達を実施している企業数は減少している。つまり「集まるところには集まっている」が、資金を集められないスタートアップには厳しい状況になりつつあるということ。ジャパンベンチャーリサーチが9月に発表したところによると、2016年上半期の資金調達額は928億円で、これは2015年の約56%。今後順調に推移すれば2015年を上回る予想だ。だが一方で、資金調達を行った企業数は2014年1071社、2015年946社と減少傾向。2016年上半期は、調達金額不明なものを含めても373社(調達金額判明のみは275社)なのだそうだ。

ほかにも独立系VC、金融系VC、CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)に加えて、大学系VCも大きなファンドを組成しており、成長に時間のかかる技術系スタートアップにもVCマネーが回り始めた。さらにはここ数年でイグジットした起業家が、エンジェル投資家としてスタートアップに対して投資を積極的に行うようにもなっている。このセッションでは、そういったスタートアップ投資の変化やトレンドについて、3人の登壇者から話を伺う予定だ。

インキュベイトファンド 代表パートナーの村田祐介氏は、ベンチャーキャピタリストとして投資を行う傍ら、業界の調査を実施しており、JVCA(一般社団法人日本ベンチャーキャピタル協会)などを通じてそのレポートを発表している。またコーチ・ユナイテッド ファウンダーの有安伸宏氏は、自社をクックパッドに売却して以降、エンジェル投資家として積極的に投資を進めている。2人には日本のスタートアップ投資をそれぞれの立場から語ってもらう予定だ。

さらにKSK Angel Fund パートナーの中西武士氏も登壇する。KSK Angel Fundは日本代表でもあるプロサッカー選手・本田圭佑氏が手がけるファンドで、中西氏はそのパートナーとして活躍している(と同時に、Honda Estilo USAでサッカースクールビジネスを展開している)人物だ。海外ではセレブリティによる投資が盛んだがその実情、そしてなによりも、本田氏が投資活動をはじめた思いなどを聞いていきたいと思う。

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。