大量に市場投入される予定のApple Watch、成功の鍵は他分野との連携可能性

AppleのCEOであるTim Cookが、Apple Watchのリリースに向けていろいろと活動を開始したようだ。発表は3月9日月曜日、サンフランシスコのYerba Buena Centerで行われるものとみられている。今回はThe Telegraphのインタビューに応じ、Apple Watchの魅力と、そして今後の可能性について語っている。

まずCookが言うところによれば、Apple Watchを買う人はまずそのファッション性(格好良さ)に注目して購入するのではないかとのこと。確かにデザイン面ではさまざまにアイデアを投入しているといえる。「もちろん時計として非常に正確でもあるんですよ」とも言っている。時刻精度は50ミリ秒以内となっている。しかしもちろん、スマートウォッチの魅力はその応用可能性にあるといえる。利用者が増え、そしてApple Watchと繋がるデバイスが増えていくことにより、Apple Watchは本当に便利なデバイスとして成長していくことができるようになるわけだ。

Telegraphのインタビューの中でも、まずは車の電子キーを代替していくのではないかとCookは語っている。センサーや無線機能を備えた情報端末に、やはりセンサーや無線機能を必要とするデバイスの機能を統合していくというのは自然な流れだろう。

すでに世の中には、さまざまな種類のスマートウォッチが存在している。しかしAppleは大量のデバイスを市場に投入し、市場を格段に拡大するパワーを持っている。それにより、Apple Watchとの連携をすすめるデバイスなども増えることにもつながる。そうなれば、Apple Watchの可能性は、自身のハードウェアないしソフトウェアに限られるものではなくなっていくのだ。たとえば自動車メーカーも、Android Wearへの対応を行うべきかどうかについてはいろいろと考えたくなるだろう。しかし500万台のApple Watchが米国内に広がるようなことになれば、Apple Watch対応をうたうことがすなわち商品の魅力となり得る。そしてApple Watch自身の成長も促すこととなる。

自動車のキーを代替するということについては、技術的なハードルも低くすぐにも具体化される話だろう。そのレベルにとどまらず、各種電化製品やスマートホーム・デバイス、あるいは電車や飛行機などの交通機関やホテルなどが、利用者や消費者の声に応じる形でApple Watch対応をすすめていくことになるかどうかが成長の分岐点だ。Apple Watchを身に纏う人というのは、より高い消費性向を持つ人々であるともいえるかもしれない。いったん動き出せばますますApple Watchと繋がるマーケットは拡大していくことになるだろう。

Apple Watchは、そのスタイルや性能の面でも大いに話題を集め、きっと人気を集めるのだろうと言われている。Appleは大量のApple Watchを市場に投入する予定であるらしい。ただし成功の鍵は、世に出ていく数多くのApple Watchが隣接市場と連携して広がっていくことになるのかどうかにある。

原文へ

(翻訳:Maeda, H