好評のJavaScript/HTML5フレームワークFamo.usがFirebaseなどを統合して総合力を強化, 既製ウィジェット集の提供も

今月で二歳半になるFamo.usが、いよいよそのJavaScriptとHTML5による開発プラットホームのグローバルな提供を始める。今日(米国時間12/4)はそのための大きな一歩として、将来的にはjQueryの現代版/ハイパフォーマンス版を作ることを視野におき、Firebaseを統合するとともに、今日のWebデベロッパが日常的によく使う一連のウィジェットのライブラリを提供開始する。

Famo.usを使えば、プラグインなど使わずにJavaScriptとHTMLだけでWebサイト/Webページ上のユーザ体験を高度化できる。その秘密については本誌も記事にしたことがあるが、基本的にはHTMLやCSSのレンダラーをバイパスしてGPUに直接アクセスすることにより、Webブラウザの描画能力を高速化している。

今週初めに、Famo.usが作ったアプリケーションのデモを見せていただいたが(下のビデオ)、デベロッパでないぼくが見ても、それがすごい/すばらしい技術であることは伝わってきた。

そして、これまでもっぱらデベロッパに奉仕してきたFamo.usが、これからはデベロッパ自身が使うツールやライブラリも提供していく。今Famo.usの登録ユーザは約7万で、彼らが現在の非公開ベータに参加している。この数は、公開ベータに入る来春までには30万近くになる、と予想されている。ユーザ数を増やすためにも、このプラットホームを一層使いやすくするためのデベロッパツールの提供が重要なのだ。

まず、jQueryでいちばんよく使われているプラグイン、LightboxとTorqueとOne to Manyをコピーした。それはCodepenから提供されるので、試用だけでなくソースコードも見られる。また、Twitterの高性能なクローンもデモとして提供しているが、それはたった100行のコードで書かれている。ツールやデモは今後、週に一本ぐらいのペースで提供していく予定だ。

同社はMPL v2のライセンスを使用しているので、Famo.usを使った開発で料金は発生しない。またこのライセンスではコミュニティが自作のウィジェットを寄与貢献できるだけでなく、大企業などが自社製のカスタムウィジェットの私権を保持することもできる。

デベロッパがフロントエンドもバックエンドもすべて含めた総合的な開発ができるよう、Famo.usはFirebase(上述)やMeteorBackboneなどを統合している。またスタンドアロンのジェスチャーコントロールハードウェアLeap Motionのための開発もFamo.usからできる。

今週木曜日(米国時間12/5)にはサンフランシスコでFamo.usのイベントが開かれるが、来場申し込みはすでに満杯だそうだ。

今後Famo.usは収益源をどうするのか? フレームワークもツールもすべてオープンソースで無料だが、今後考えているのはクラウドから有料で提供するホスティング、アクセス分析、モニタリングなどだ。ただしそれらもフリーミアムにして、個人デベロッパなどが基本機能を無料で使えるようにする。

Famo.usはこれまで510万ドルを、Javelin Venture Partners、Samsung、Greylock Partners、CrunchFund(TechCrunchのファウンダMichael Arringtonがオーナー)、Naval Ravikant、InterWest Partners、Quest Venture Partners、Barney Pell、Lorenzo Thione、Siqi Chen、Roger Dickey、Matt Ockoなどなどから調達している。


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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


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TechCrunch Japan

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