好調な四半期決算にもかかわらずSalesforceの株価は6.3%下落

ウォールストリートの投資家たちは、気まぐれな野獣になり得る。Salesforce(セールスフォース)がその例だ。CRM(顧客情報管理)大手の同社は米国時間2月25日、四半期決算の売上高が58億2000万ドル(約6204億円)だったと発表した。前年同期比20%増だ。同社はまたクローズしたばかりの2021年会計年度の総売上高が前年比24%増の212億5000万ドル(約2兆2652万円)だったことも明らかにした。おまけに、2022年会計年度のガイダンスでは250億ドル(約2兆6649万円)とした。文句のつけようがない。

より多い四半期の売上高を望めば、Salesforceはそれを上回るものを出す。より高い成長率と確固たる売上高の予想を望むなら、それも達成する。実際、四半期決算は非の打ち所がない。同社はうまくやっており、この規模と年数の組織としては目覚ましい速度で成長している。そして今後も引き続き好成績と成長が見込まれる。

ウォールストリートはこのきらびやかな決算にどう反応したか?6%超の株価下落だ。同社が将来を約束するような決算を発表したことを考えれば、かなり悲惨な日だ。

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何が起こっているのか。投資家が単に、同社の成長は持続可能ではないと考えたのかもしれないし、あるいは2020年末にSlackを270億ドル(約2兆8781億円)で買収したときに払いすぎたのかもしれない。また、今週の冷え込んだマーケットに人々が過剰に反応しただけなのかもしれない。しかし、もし投資家が高成長の企業を探しているのなら、Salesforceはそれに応えている。

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Slackは高価だったが、2月25日の決算には売上高2億5000万ドル(約266億円)超とある。ランレートは10億ドル(約1065億円)で、年間経常収支が100万ドル(約1億円)超の有料顧客を100社超抱える。そうした数字は最終的にSalesforceの収益に加わる。

Canaccord GenuityのアナリストであるDavid Hynes Jr(デビッド・ハインズJr)氏は投資家らのこの決算への反応に困惑した、と書いた。筆者と同様、同氏は多くのポジティブな要素を見出していた。それでもウォールストリートはネガティブな要素に注意を向けることにし、同氏が投資家へのメモに記したように「グラスはまだ半分ある、ではなく『もう半分空だ』」ととらえた。

「株価は明らかに、証拠を見るまで信じないというモードです。つまり、ファンダメンタルが実際にしっかりしていて、Slackは機会を狙っていたが(確かに高い)急激な成長悪化を覆う意図はなかった、という考えを投資家が受け入れるにはもう数四半期かかりそうだということを意味します」とハインズ氏は書いた。

2月25日のアナリストとの決算会見の間、クレディスイスのBrad Zelnick(ブラッド・ゼルニック)氏はSalesforceがパンデミックによる経済停滞からの脱出をいかに加速させられるのか尋ねた。同社の最高経営責任者で最高レベニュー責任者のGavin Patterson(ギャビン・パターソン)氏は、世界がパンデミックから脱却するときはいつでもSalesforceは準備できている、としている。

「私に言わせれば、当社は営業部隊という点で、その能力を構築しています。当社はそうした需要をうまく利用するために直接の営業部隊にかなり投資しています。需要に応えられるとかなり自信を持っています。ですので、あなたは今日、事業は力強く、パイプラインも強いもので、次の年に向けて自信を持って臨んでいるというメッセージを我々から受け取るでしょう」とパターソン氏は話した。

Salesforceの役員たちは明らかにそれなりの理由があって自信に溢れていたが、投資家側には懸念が残り、それが株価下落、終日軟調となって現れた。ハインズ氏が指摘したように、投資家たちの方が間違っていたと証明し続けるのはSalesforce次第だろう。ウォールストリートの否定論者が今日考えていたことにもかかわらず、今週発表したような成績の四半期が続く間は大丈夫なはずだ。

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(文:Ron Miller、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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