子どもたちに分子の不思議を教える教材セットHappy Atomsは老舗企業の初のクラウドファンディング

500x620_gif_new-model

ほとんどのSTEM玩具を断固軽蔑しているぼくが、Happy Atomsを許せるのは、それが家庭市場ではなく教育者をターゲットにしているからだ。化学実験用具のメーカーThames & KosmosとピッツバーグのSchell Gamesが共作したHappy Atomsは、磁石で表す原子を使って分子の構造を子どもたちに教える。

キットには、酸素や炭素、水素などの原子が入っていて、それらを組み合わせて分子を表す。iOSのアプリで分子をスキャンすると、その物質のデータや分子の特徴などが分かる。たとえば果糖の分子を作ったら、果糖が自然界のどこにあるか、体に対して何をするか、などが分かる。そう、気分を良くすることだよね。

Happy_Atoms_Screen_Grab_ot5qpa

先生用の359ドルのパッケージには250の原子パーツが入っているが、アトムが50個のセットは129ドルだ。パーツは頑丈にできていて、電池などはいっさい使わない。アプリはパーツの色とその周りの帯で原子を判断するから、どんな位置からでも原子をスキャンできる。

16_Elements_Image_2_better_small_f1ngga

くどいようだが、STEM玩具はその多くがゴミだ。でもHappy Atomsは、どうやって化学を三次元で教えるか、という面白い、そして重要な問への解を与えている。先生がこれを使ってくれたら、高校時代の化学の成績はもっと良かったと思う。当時のぼくはAPの化学で、“努力が足りない”と評価されてしまった。

玩具は所詮、玩具だけど、Thames & Kosmosは一世紀以上にわたって本格的な化学や工作のキットを作っている。つまり、この分野の完全なプロである。そんな企業がクラウドファンディングに踏み切ったのはおもしろいが、でもそれは試す意義があるだろうし、しかもSchell Gamesとのパートナーシップで物理的なオブジェクトとアプリの両方を作れた。温室効果ガスのN2Oなんかも作れるから、まるで自分が高校生に戻ったような気持ちになり、めまいがしそうだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))