子ども向けのプログラマブルなロボット工作キットを多種類提供しているMakeblockがシリーズBで$30Mを調達

子どもたちが単純なおもちゃで単純に遊んでいた時代があったよね。もちろん今でもそれはできるけど、親たちはますます、テクノロジーをぎっしり詰め込んだ玩具を買い与え、将来はソフトウェアのデベロッパーやロボットのエンジニアとして楽な生活ができることを願う。先月ニューヨークでInternational Toy Fairを開催したToy Industry Association(玩具産業協会)にいたっては、ロボット教育が2017年の玩具市場の主要なトレンドだ、とまで言い出す始末だ。

そして、深圳のMakeblockはこのほど、シリーズBで3000万ドルを獲得して、そんな親たちにプログラマブルなロボットと、子どもたちやティーンのためのロボット工作キットを提供しようとしている。2011年創業のMakeblockは、今や140か国に顧客がいて、製品は世界中のさまざまな学校2万校の教育者たちが利用している、という。

同社のいちばんよく知られている製品は、mBotシリーズの各種走行車両類と、簡単なモジュール構造の玩具ドローンAirblockだ。後者は初心者でも組み立てられる。しかし同社のテクノロジー玩具製品の種類はとても多くて、中には奇抜なものもある。たとえばMusic Robot Kitには、シロホンと電動の打棒(ばち)がある。組み立てとプログラミングがうまくいけば、楽譜を演奏できたり、ユーザーがリモートのPCのキーボードから弾けたりする。

ドローンキットAirblockは初心者でも航空機ロボットを作れるように設計されている。

Makeblockの製品はグラフィカルな環境でプログラムを作るので、プログラミングがまるでゲーム感覚だ。初心者はプログラミング言語でコードを書いたり、コマンドでロボットを動かしたりしない。画面上で、ゲームのピースを一定の順序で並べるだけだ。

今回のMakeblockへの投資は、Evolution Media ChinaShenzhen Capital Group(深圳資本グループ)がリードした。子どもたちにテクノロジー玩具を与えてプログラミングへ入門させようとする企業は、玩具企業にかぎらず今ではたくさんあるから、今度得た資金はその競争に勝つために投じられる。主な競合他社は、LittleBits, SparkFun, ArcBotics, Flybrixなど、しかもWonder WorkshopOzobotなどは、子どもたちが組み立てるキットではなく、完成品のロボットでプログラミングを学ばせようとしている。

MakeblockのCEO Jasen Wangによると、彼は、農村の貧しい、テクノロジーとは無縁な家に生まれ育った。コンピューターに初めて触ったのは、大学に入ってからだ。だからプログラミングの勉強を始めたのも、遅かった。でもテクノロジー大好き人間になった彼は、より多くの若い学生たちをメイカームーブメントに誘い込むことを仕事にしたい、と考えるようになった。そして、2011年にMakeblockを創業した。

新たな資金の用途は、人員増、製品開発、生産能力の拡大、国際展開と多様だ。中でも重要なのが、アメリカにオフィスを開くこと。投資家たちが期待しているのは、Makeblockが“次世代のLego”になることだ、とCEOは語る。

しかし最近の“子ども製品業界”は合併や買収が盛んだから、今後のMakeblockにも、何らかの(IPO以外の)有利なイグジット(exit, 出口)による市場拡大の機会が、ありうると思うね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

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TechCrunch Japan

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