子育てをテクノロジーで支援する 「子育Tech」が始動

kotodatech01

カラダノート、ファーストアセント、AsMama、オトバンク、ピクスタの5社は10月2日、ITやテクノロジーを活用して子育て環境の改善を目指すことを目的として「子育Tech」(こそだテック)を提唱・推進。その共同組織として「子育Tech委員会」を発足させた。今後は参画企業を集い、市場調査やイベントなどを開催していくという。

カラダノートは、 妊婦の情報の記録や共有、収集を助ける「ママびより」や陣痛間隔を測定する「陣痛きたかも」、授乳やうんち、おしっこなどの間隔や回数を記録する「授乳ノート」などのアプリを提供している。

kosodatech03

妊婦の情報の記録や共有、収集を助ける「ママびより」

AsMamaは、送迎や子育てなどのニーズを共助する「子育てシェア」をいうサービスを提供している。顔見知り同士のコミュニティー形成を支援するサービスで、万が一にも安心の損害賠償保険(最大5000万円)も利用者負担0円で適用される。

kosodatech05

送迎や子育てなどのニーズを共助する「子育てシェア」

ファーストアセンドは、赤ちゃんの泣き声をAIで分析する「CryAnalyzer」などのアプリをリリースしている。同アプリは、2万人のモニターユーザから集めた赤ちゃんの泣き声データを基に、泣き声診断アルゴリズムを開発。正答率80%以上を記録しているという。なお、CryAnalyzerは海外向けで、国内で使えるアプリとしては「パパっと育児@赤ちゃん手帳」があり、こちらも赤ちゃんの泣き声から感情を分析できる機能が備わっている。

kosodatech04

赤ちゃんの泣き声から感情を分析できる「パパっと育児@赤ちゃん手帳」

オトバンクは、子供を抱っこしながらや寝かしつけながら、家事をしながらなど、さまざまなシーンで読書できるオーディオブック「audiobook.jp」アプリを提供。月額750円の聴き放題サービスを用意しており、会員数は50万人とのこと。

kosodatech006

オーディオブック「audiobook.jp」

ピクスタは、カメラマンとユーザーをマッチングさせる家族向け出張サービス「fotowa」を提供する。

kosodatech07

カメラマンとユーザーをマッチングさせる家族向け出張サービス「fotowa」

同委員会によると、米国では妊娠から乳幼児の育児に関する技術分野が「BabyTech」として発展しているが、日本国内ではスマホなどを利用した子育て支援の環境が整っておらず周囲への認知や理解も進んでいないことが調査によって判明したとのこと。それを踏まえて子育Techとして、1.育児の記録や共有を効率化するもの、2.育児の情報収集を効率化するもの、3.育児にまつわる夫婦間コミュニケーションの糸口になるもの——を共同で開発していくという。

今回は子育Tech委員会の発足と協力体制の発表に留まったが、将来的にアプリで利用するIDの共通化、API連携によるデータの取り込みなどが可能になれば、スマホなどを利用した子育てがより身近になるはずだ。

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。