家庭用ロボットの可能性をさぐる、群れロボット型インタフェース

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工場や倉庫では、ロボットがすっかり当たり前の存在になってきた。いよいよ次は個人の家のデスクや、あるいはキッチンなどに進出してくるのだろう。そんな時代に向け、小さな生き物のようなロボットを集団として活用しようとする試みが行われている。蟻のように集団で作業をしたり、情報の伝達を行うのだ。

そんなロボットが発表されたのは、Association for Computing MachineryのUISTカンファレンスだ。工学系の複数大学が協力して、「群れロボットインタフェース」(swarm user interface)の実験を行っているそうだ。

ロボットには小さなホイール、タッチセンサー、ジャイロコンパス、および光学センサーを搭載していて、上にあるプロジェクターに映し出されるパターンにしたがって動作を律している。個々に判断して動作する機能は持っていない。外部のコンピューターからの動作指示をうけて動くようになっているのだ。

それでも可能性はいろいろと考えられそうだ。並び方を変えることでいろいろな情報を伝達することもできる。並んだロボットのひとつを捕まえて、向きを変えたり、動かしたりすることで指示を送ることもできる。何かを操作するためのツールが自動的に目の前に現れたり、特定のアプリケーションを開いているときに、その操作用のダイアルが自ら登場してくるような使い方ができるわけだ。

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何か小物を動かしたりすることもできる。上の写真にあるように、スマートフォンなどを押してもってくることもできる。また、使っている人がいなくなった机の上を整頓したりするようなこともできるだろう。あるいはネズミのように、壁に開けた穴から出てきてパン屑を片づけたり、スリッパを見えないところに持って行ったりというようなこともできる。

研究者自身、さまざまな応用可能性を感じているようで、論文でさまざまな用途を検討している。さらに、世界中の人たちにもいろいろな可能性を感じてもらいたいと考えているようで、必要なもの(パーツは自分で用意する必要がある)をGitHubに公開してもいる。

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(翻訳:Maeda, H

投稿者:

TechCrunch Japan

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