容量無制限のBitcasaが自分を無名のクラウドストレージインフラとして使えるAPIサービスCloudFSを提供

かつてTechCrunch Disrupt Battlefieldでデビューし、“容量無制限”*で話題になったクラウドストレージサービスBitcasaが今日(米国時間5/6)、デベロッパ向けのAPIサービスCloudFS〔クラウドファイルシステム〕を立ち上げる。これにより、デベロッパが作るアプリケーションの中から、Bitcasaというブランド名を意識することなく、クラウドストレージにアクセスできるようになる。Bitcasaによると、すでにPlexやCloudlessなどがこのAPIサービスを利用している。〔*: 今では無料(20GB)から無制限(11900円/月)まで4段階の利用プランがある。 〕

CEOのBrian Taptichによると、11月にローンチしたデベロッパ向けサービスはすでに5000名の登録ユーザがいるが、彼等からのいちばん強い要望が、自分のアプリケーションの中からBitcasaというサービスをBitcasaという名前で利用することでなく、まるで自分のアプリケーションの中に、それの機能の一環として、クラウドストレージの利用もある、すなわちサードパーティサービスのブランド名が表に出ない、という使い方だった。

このAPIセットは、いろんな機能を提供している。ファイル管理、ファイル共有、メディアのコード変換、パスワード不要の暗号化、などなど公開クラウドストレージの主機能すべてだ。しかも同社は、Bitcasaの従来の”Turn-key Drive”に加えて9つの既製のアプリケーションを提供するので、デベロッパの仕事も楽になる。しかもデベロッパは、BitcasaのCloudFS APIサービスからAWSなどそのほかのクラウドサービスにもアクセスできる。

“EvernoteやDropboxには、バックエンドのストレージを管理する機能がない。消費者向けサービスとしては、優秀だけどね”、とTaptichは説明する。彼によれば、同社は今後、次世代のデベロッパ向けのサービスに力を入れる。次世代のデベロッパとは、パブリッククラウドの構築に要するオーバヘッドや時間、労力などを自ら投じようとはしない、文字通り新人類のデベロッパたちだ。

“このAPIを使うと、デベロッパが自分だけのiCloudを簡単に作れるんだ”、と彼は言う。

CEOは、デベロッパプラットホームへの注力は同社の方向転換ではない、と念を押す。本来の消費者向けサービスはユーザ数が100万を超えており、今後も継続する。デベロッパ向けサービスの開始は、同社のプロダクトの多様化だ。今の顧客の中には(実名を挙げないが)合衆国やそのほかの国のモバイル事業者もおり、彼等は、Google(Google Drive)やApple(iCloud)に対抗して独自のクラウドストレージを提供できることに関心がある。そういう意味でデベロッパ向けのBitcasaは、各顧客が自分のクラウドストレージを築くための、無印の原料だ。

APIのドキュメンテーションは、今日からあるが、APIの非公開ベータは今月末に始まる。公開ベータは夏の予定だ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))