小型人工衛星打ち上げサービスFirefly Aerospaceが2021年6月の初飛行前に約82億円調達

Firefly Aerospaceは、10億ドル(約1094億円)を超える評価額で獲得したシリーズAの7500万ドル(約82億円)と、Fireflyの筆頭投資家Noosphere Venturesの保有株の売却からなる1億ドル(約109億円)の二次取引で合計1億7500万ドル(約191億円)を調達した。人工衛星を打ち上げるスタートアップである同社は、2021年6月に予定している最初のAlphaロケットの打ち上げの後、さらに今年後半に3億ドル(約328億円)を調達すると発表した。

Fireflyは、SpaceXやRocket Labの後を追って商用の打ち上げプロバイダーになろうとしているスタートアップたちの1つだ。目標は、現在成長中の小型衛星の打ち上げ市場に貢献することで、同社はこれまでの数年間、Alphaロケットを開発してきたが、すでにNASAやGeneral Atomicsなどから商用および政府非軍事部門の打ち上げ契約を獲得している。テキサスを拠点とする同社はこれまで、最初に立ち上げたFirefly Space Systemsの破産をはじめ、挫折も経験しているが、その後はFirefly Aerospaceと改名してNoosphere Venturesが全資金を提供する完全保有ベンチャーになった。

同社の2度目の命には、Alphaロケットを改造して打ち上げ容量を大きくしたことも含まれる。現在は、低地球軌道で1000kg、太陽同期軌道で600kgを運ぶことができる。また、NASAのCommercial Lunar Payload Services(CLPS)プログラムの一環として、月へのペイロードデリバリーサービスを提供するために「Blue Ghost」と呼ばれる月着陸船も開発している。

Fireflyは、カリフォルニアのヴァンデンバーグ空軍基地の施設で、打ち上げ機の準備がかなり進んでいるため、実際の飛行にこれまでになく近づいているようだ。初飛行を予定している2021年6月は近づいており、同社はそのデモ打ち上げの成功の勢いに乗り、同社がすでにその意図を表明している次の巨額調達(3億ドル)への関心が大きくなることも期待している。しかも同社は、シリーズAのラウンドが「申込過多」だったという。

シリーズAはDADA Holdingsがリードし、Astera InstituteとCanon Ball LLCなどが参加した。Fireflyによると、Noosphereの持ち株売却による二次調達にはシリーズAの参加社も含まれていた。

カテゴリー:宇宙
タグ:Firefly Aerospace資金調達

画像クレジット:Firefly Aerospace

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Hiroshi Iwatani)

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TechCrunch Japan

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