小型SAR衛星の開発・運用を手がける九州大学発QPS研究所がシリーズBファーストクローズとして38.5億円調達

小型SAR衛星の開発・運用を手がける九州大学発QPS研究所がシリーズBファーストクローズとして38.5億円調達

小型SAR(合成開口レーダー)衛星の開発・運用を行うQPS研究所は12月9日、シリーズBラウンドのファーストクローズにおいて、総額38億5000万円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、リードインベスターのスカパーJSAT、またスパークス・グループ運営の未来創生ファンド、日本工営、リアルテックファンド、三井住友海上キャピタル、FFGベンチャービジネスパートナーズ、三菱UFJキャピタル、SMBCベンチャーキャピタルの計8社。累計調達額は約72億円となった。

QPS研究所、自社開発した小型衛星用の収納式大型軽量アンテナにより、従来のSAR衛星の1/20の質量、1/100のコストで100kg 級高精細小型SAR衛星の開発に成功。現在は2025年以降を目標に36機の小型SAR衛星を打ち上げてコンステレーションを構築し、約10分ごとの準リアルタイム地上観測データサービスの提供を目指している。

このプロジェクトの実現に向け、2017年10月・2018年2月のシリーズA調達にて総額24億5000万円の資金調達を行い、2020年11月に総額8億6500万円の追加資金調達を実施した。これにより、当初のプラン通り衛星「イザナギ」「イザナミ」の2機の開発・製造・打ち上げに取り組んだ結果、2021年5月にはイザナミによる70cm分解能という民間の小型SAR衛星として日本で最高精細の画像取得に成功。衛星データビジネスの構築に向けた活動を本格化させた。

シリーズBで調達した資金は、2022年打ち上げ予定の衛星3号機~6号機の開発・運用の資金として使用する予定。同社が目指す小型SAR衛星36機のコンステレーションの実現に向け、着実に取り組むとしている。

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TechCrunch Japan

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