山火事のシーズンが近づく中、AIが衛星画像を使って危険な地域を教える

地球温暖化と天候パターンの変化でここ数年の米国は壊滅的な山火事に苦しめられた。そしてこの、本来なら普通の自然現象は、きわめて予測不可能で深刻な災害になった。そこでスタンフォード大学の研究者たちは、機械学習と衛星画像を利用して危険な乾燥地域を調べ予報する方法を見つけた。

これまでの、山火事になりやすい森林や低木地帯の検査方法は、手作業で枝や葉を集め、その水分を調べた。それは正確で信頼できる方法だが、きわめて労働集約的で大規模な調査は難しい。

しかし幸いにも最近は、その他のデータソースを利用できる。欧州宇宙機関(European Space Agency)の人工衛星センティネルとランドサットは、地表の画像を大量に集めており、それらを詳しく分析すれば山火事のリスクを評価するための二次的なデータソースが得られる。しかもこの方法なら、木の枝の棘に刺される心配もない。

衛星画像を利用する観測方法は以前から存在するが、人間の目で判断するため極端にサイト固有の結果になりがちだ。つまり、場所によって分析方法が相当異なっている。棘の心配はないが、広い面積の調査は難しい。スタンフォードのチームが利用した新しい方法では、センティネル衛星の「合成開口レーダー」を利用して森林の林冠を貫き、その下の地表の画像を見る。

スタンフォードの生態水文学者Alexandra Konings(アレクサンドラ・コーニングス)氏はニュースリリースで「私たちの大きな突破口は、これまでよりもずっと長い波長を使う新しいタイプの衛星に着目したことです。それによって森林の林冠のずっと深いところの水分を観測できるようになり、それは燃料水分の含量を直接表しているのです」と語っている。

チームは2016年から定期的に集めたこの新しい画像を、米国林野局が手作業で計測したデータと共に機械学習のモデルに与えた。これによってモデルは、画像のさまざまな特徴と地上の測定値との相関を学習した。

次に彼らは、そうやって得られたAIエージェントに、彼らがすでに答を知っている古いデータで予報をさせ、テストをした。結果は正しかったが、そのほとんどが低木地帯で、それは米国の西部で最も多いバイオームであり、山火事になりやすい植物相でもある。

プロジェクトの結果をこの対話的なページで見ることができる。西部全域の1年の各時期における、モデルから得られた乾燥度の予報を示している。消防士にとって具体的に役に立つ、というものではないが、でも同じモデルに最新のデータを与えれば、今後の山火事シーズンに関する予報ができ、当局が延焼をコントロールし、危険な地域や安全性に関する警報をするための、情報に基づく決定ができるだろう。

研究結果は、Remote Sensing of Environmentに載っている。

画像クレジット: スタンフォード大学

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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