岡山発のドローンベンチャー、ドローンデパートメントが数千万円の調達

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岡山発のドローンスタートアップ、ドローンデパートメントは第三者割当増資での調達を本日発表した。引受先は、個人投資家千葉功太郎氏とオプティマ・ベンチャーズだ。調達額は非公開だが、数千万円規模という。

ドローンデパートメントはドローンに関連するサービスをいくつか提供している。ドローンデパートメントの主力事業は、ドローンパイロットとドローン空撮を依頼したい企業や団体をつなげるサービスだ。空撮に特化した「ドローン空撮.com」と空撮以外の業務を依頼できる「SkyAgent」がある。

プロモーション写真や動画の撮影から、施設の点検、農薬散布、行政の災害時対策の実験まで様々な依頼が寄せられているとドローンデパートメントの代表取締役を務める白石和也氏は話す。ドローン空撮.comとSkyAgentでは依頼内容を精査し、適任のドローンパイロットを選定して依頼主に提案する形をとっている。これは、パイロットがそれぞれで保有しているドローンの性能やパイロットが持つ他のスキルが異なるためと白石氏は説明する。例えば、プロモーション動画の撮影だったら、空撮だけでなく動画の企画から制作編集までできるパイロットが適任だろう。ドローンデパートメントでは、そのように依頼主のニーズを細かくヒアリングして、パイロットを紹介する。

現在、全国のドローンパイロット約170名が登録している。依頼内容によって価格は異なるが、空撮写真なら2万円から、空撮と動画編集と音楽がセットになったプロモーション動画制作プランは15万円から依頼できる。

岡山だからこそできること

ドローンデパートメントは2016年7月に創業した会社だ。白石氏はもともとウェブ集客などの仕事を手がけていて、集客に悩んでいたドローンパイロットの友人に手を貸したのがきっかけでこの事業を立ち上げたと話す。今回の資金調達はサービス開発や営業活動といった運用資金に充てる考えだ。ドローンデパートメントの本社は岡山県岡山市にあり、今月にも東京オフィスを正式にオープンする計画だ。東京にオフィスを開設するのは、取引先が多く、営業活動の拠点にするためだという。

本社が岡山にあると営業活動やスタートアップ関連の情報が入手しづらいという課題もあると白石氏は話す。岡山発の企業でエクイティーファイナンスを実施したのはドローンデパートメントを入れて3社ほどで、スタートアップという働き方の選択肢があることもあまり広まっていないそうだ。ただ、岡山県に本社があることには同社にとってメリットもあると白石氏は説明する。東京のような人工集中地区ではドローンの飛行可能な場所は限られているが、岡山でなら土地の所有者や管理者の許可を得れば比較的容易にドローンが飛ばせる。そのためドローンを使った新たな試みや実験が行いやすいと白石氏は言う。例えば、ドローンデパートメントでは畑の鳥獣対策にドローンを活用するための検証なども始めているそうだ。また、岡山の地理的にも海に山、川、島がそろっていて、様々なシチエーションに応じたドローンの検証に向いている。岡山だからこそできることがあり、それを事業に生かし、ゆくゆくは地域の活性化にも貢献していきたいと白石氏は話している。

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TechCrunch Japan

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