広告価値の価値を下げる「アドフラウド」検知スタートアップのMomentum、Syn.ホールディングス傘下に——評価額は約10億円

Momentum 代表取締役社長の高頭博志氏(左)、Syn.ホールディングス 事業戦略本部 グループ事業戦略室 室長の野本遼平氏(右)

ネット広告において、実際に人がその広告を見るのではなく、ボットなどを利用してインプレッションやクリックを発生させ、広告本来の価値を毀損する「アドフラウド(不正広告)」。

このアドフラウドの検知・排除ソリューションを提供するスタートアップのMomentumがKDDIにグループ入りした。KDDIグループのSyn.ホールディングス(Syn.)は7月25日、Momentumの株式を取得し連結子会社としたと発表した。Momentumは2015年5月にSMBC ベンチャーキャピタル、みずほキャピタル、VOYAGE VENTURES、GMOベンチャー通信スタートアップ支援などから資金を調達したのち、2016年7月にVOYAGE GROUPの連結子会社となっていた。VOYAGE GROUPはMomentumの3156株(20.45%)を所有。2億1200万円でSyn.に譲渡している。この数字をもとにした評価額は約10億3667万円となる。

Momentumは、アドフラウドソリューション「BlackHeron」、ブランドセーフティーソリューション「BlackSwan」を提供するスタートアップ。以前も紹介したとおりだが、Black Heronは、IPやブラウザの特徴など約90種類の判断基準でアドフラウドをスコア化。これをアドネットワークに提供することで、不正な広告出稿を防ぐ。またBlack Swanは、アダルトサイトやネガティブな内容のサイトなど、ブランドの価値毀損が起こる可能性のあるサイトへの出稿を防ぐという。

Syn.ホールディングスの中核会社となるSupershipでは、ネット広告事業を展開しているが、今後Momentumをグループ傘下とし、自社サービスと連携させることで、広告主の課題解決を実現するとしている。

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TechCrunch Japan

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