性的暴行疑惑で写真SNS「Dispo」取締役ドブリック氏が退任、VCは「一切の関係を断つ」と決定

ベンチャーキャピタルのSpark Capital(スパークキャピタル)は、人気YouTuberのDavid Dobrik(デビッド・ドブリック)氏が共同開発した写真SNSアプリであるDispo(ディスポ)との「一切の関係を断つ」ことを決定した。米国時間3月21日深夜に同社が発表したこの動きは、Business Insiderによる最近の調査で、ドブリック氏を中心とするYouTuberグループ / 動画キャスト、Vlog Squadのメンバーから性的暴行を受けたという女性の主張が明らかになったことがきっかけとなっている。

【更新】初期投資家であるUnshackled VenturesとSeven Seven Sixも同様に同社から手を引き、それぞれの投資から得た利益を、性的暴行の被害者に焦点を当てた組織に寄付することを約束した。

Spark Capitalはツイートでこう述べた。「Vlog SquadとDispoの共同創業者であるデビッド・ドブリック氏に関する最近のニュースを考慮して、当社はDispoとの関係を一切断つことを決定しました。我々は取締役の地位を退き、Dispoへの最近の投資から利益を得ないように手配しているところです」。

その数時間後、The Informationが最初に報じたように、ドブリック氏はDispoの取締役を辞任した。Dispoは、TechCrunchへの声明で次のように述べた。「デビッド(・ドブリック)は、会社の成長を妨げないために取締役から退き、会社を去ることを選択しました。Dispoのチーム、製品、そして何より重要な私たちのコミュニティは、多様性に富み、包括的で、人々に力を与える世界を構築するものです」。

VC視点

Spark Capitalの「Dispoへの投資から一歩退く」という決断は今までに類を見ないものであり、少なくとも非常に珍しいことだ。これは、同社に出資している他の投資家が同じことをするきっかけになるかもしれない。

Spark CapitalがシリーズAを主導し、Dispoが2億ドル(約218億円)の評価額で2000万ドル(約21億8000万円)を調達してからまだ1カ月も経っていない。今回のSparkの声明は、投資がDispoから引き揚げられたことを示してはいない。

Spark Capitalは、このプロセスがどのようなものになるのか、また、株式がDispoに戻されるのか、あるいは別の買い手に売却されるのかに関して、すぐにはコメントを差し控えた。今回の決定のメカニズムは不明だが、Spark Capitalがつい最近まで取引を主導していたという事実は、同社に撤退する裁量を与えたのかもしれない。

ドブリック氏の他のスポンサーであるHelloFreshやDollar Shave Clubなどは、同氏とのパートナーシップを終了した。

【更新】この記事は、ドブリック氏のDispoからの離脱、およびアプリの他の初期投資家が投資から手を引くことを反映して更新された。

カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:Dispo

画像クレジット:dem10 / Getty Images

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(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:Aya Nakazato)

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TechCrunch Japan

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