成功報酬は月収の10%、jobchainが外国人求職者と中小企業の人材マッチングサービスを開始

jobchainは9月9日、地方や中小企業と日本国内外に在住する外国人求職者をマッチングする「jobchain」サービスを開始した。本日よりiOS版アプリが提供される。

日本国内でも、IT企業や外食産業などでは大手を中心に外国人人材を積極的に採用しているが、地方や中小企業ではそもそもの接点が少ないため、日本語が堪能な外国人人材にリーチできないケースが多い。同社はこういったミスマッチを解消するために、人と人の繋がりに特化したCtoCプラットフォームとしてとしてjobchainを開発したそうだ。

特徴としては、企業は登録料・利用料・求人出稿料が無料(採用担当者が個人として登録)、企業が直接登録した個人とメッセージをやり取りできる、採用が決定した場合の手数料は月収の10%(完全成果報酬)、インフルエンサー拡散機能の成功報酬型広告費を企業が自由に設定可能、という点。

一般的な求人サービスも成功報酬型だが、採用が決まると年収の30%程度を手数料として取るケースが多い。年収700万円の人材であれば、手数料は単純計算で210万円だ。一方jobchainでは月収の10%なので、月収40万円の人材なら4万円の手数料で済む。採用コストに限りのある中小企業にとっては利用しやすい手数料設定だろう。

インフルエンサー拡散機能も特徴的だ。企業は、自社の求人情報に対して成果報酬型広告費(アフィリエイト)を設定でき、日本または海外に在住の外国人の仲間同士、知り合いのネットワークへの拡散が期待できる。インフルエンサーとなる利用者は、クチコミはもちろん、WeChatやWeibo、Facebookのフォロワーなどに情報をシェアして、仲間や知り合いに求人情報を拡散。そして、その人物の採用が決まればインフルエンサーにアフィリエイト料が入る仕組みだ。アフィリエイト料は企業側が自由に設定できるので、ここにコストをかけることで求人情報のさらなる拡散が期待できる。

jobchainは2014年にNPO法人として立ち上がった組織。チームメンバーは、日本企業で3年以上の勤務経験がある日本在住の中国人で構成されている。過去には、4年間連続で東京都庁、新宿区、世田谷区の助成事業として認定された実績もあるそうだ。なお同社は、2019年1月に株式会社化している。

同社がターゲットとしているのは、2020年の東京オリンピック、2025年の大阪万博に向けて、ホテル、旅館、免税店、飲食店などのサービス業への就職を目指している、日本もしくは海外に在住し、大学卒かつ日本語レベルが高い外国人材。外国人人材を受入れる在留資格「特定技能」を保有する人材に対して、勤務場所、就労条件、給与などの情報を明示することも可能だ。

さらに同社は今後、AIチャットボット機能を強化し、書類選考やSPI審査(適性検査)の自動化を進めるほか、5G環境におけるリアルタイム同時通訳、双方評価といった機能の開発も進めるという。独自の電子決済サービスを提供し、個人間送金、給与受領、資産管理などの機能を提供する計画もある。サービス開始5年で、企業5万社、外国人材50万人の登録を目指す。

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TechCrunch Japan

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