手書きスケッチをAdobeベクトルデータに変換するモレスキンのスマートノートを使ってみた

われわれは11月にMoleskineのAdobe CCベースのスマート・ノート について書いた。しかし今回、実際に使ってみて、たしかに役に立つ製品だと確認できたのでもう一度紹介してみる。仕組みについて上のビデオをご覧いただきたい。iPhoneのユーザーでAdobe Creative Cloudの契約者なら、手書きのスケッチを即座に2000ドルのデジタルタブレットとHDディスプレイの組み合わせを使ったのに劣らないレベルの.SVGファイルに変換することができる。

ページにはアンカーポイントが印刷されているが、撮影時とまったく同一の角度でデジタル版が作成される。つまり自動的に角度の補正は行われない。しかし生成されるのがAdobe Illustrator互換のベクトルデータなのでスキャンされたラスターデータより修正、編集ははるかに容易だ。またスケッチをiPhoneで撮影する(現在専用アプリはiPhone版のみ)ほうがフラットベッドスキャナーやハンディースキャナーを使うよりずっと簡単だ。

用意するものがMolesskineノートと専用アプリをインストールしたiPhoneだけというシンプルなシステムだが、生成されたデータは細部まで忠実に再現sされており、質は非常に高い。もちろん商用レベルの作品に仕上げるには色やエフェクトを付け加えるなどそれなりの後処理は必要だ。

Moleskineノートは32.95ドルだ。アプリは無料で、iOS7.1以降を搭載したアiPhoneまたはiPadで作動する。またCreative CloudのIllustratorが必要だ。しかし多くのビジュアル・クリエーターはその要件を満たすだろう。そういうクリエーターにとってはハイエンドのデジタル入力タブレットをどこへでも持ち歩けるようなものだから、メリットは大いにある。しかも電源を心配する必要もないし、飲み物をこぼしても壊れることもない。 WacomのInklingも似たような機能を提供するとしていたが、私が実際に試すことができたこの種のシステムはMoleskineが初めてだ。宣伝どおりに機能することは間違いない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+