投資家が絶賛するレストラン向けマーケティングとデリバリーSaaSを開発するPopmenuとは?

Brendan Sweeney(ブレンダン・スウィーニー)氏は、アトランタを拠点とするスタートアップPopmenuを共同創業者としてに立ち上げるまで、レストランビジネスについて何も知らなかった。

スウィーニー氏が知っていたのは、ほかのビジネスが素晴らしいグラフィック、キュレーションされたテキスト、丁寧に作られた画像、派手なビデオを使って顧客にアピールしているのに対し、レストランの多くはプレーンテキストベースのメニューを掲載しているのがおかしいということだった

「レストランでは、その全ストーリーであり、販売提案でもあるメニューをプレーンテキストで公開しているのはクレイジーです」と同氏。

Popmenuは、アトランタ周辺のソフトウェアビジネスを手掛けていた元同僚3人と共同で設立した会社で、1700万ドル(約18億円)の新規資金調達を完了しており、すでにソリューションを提供している。

同社のソフトウェアが目指しているのは、そのサービスを利用する料理クリエイターのためにホストしているウェブページに、第三者のレビュー、画像、お勧めなどの説明を組み込むことで、顧客をレストランのオンラインサイトに留めておくことだ。「レストランのウェブサイトにすべての情報が掲載されていれば、実際に一度店に入って引き返す見込み客も大幅に減るでしょう」とスウィーニー氏。

Popmenuは、コーディングのスキルが厨房での仕事とは一致しないような料理クリエイターのために、ウェブページをデザインするだけではない。このソフトウェアは、ソーシャルメディア管理、メール送信、そして新型コロナウィルスのがいまだ蔓延している時代には欠かせない、デリバリーサービスにも対応している。

スウィーニー氏は、新型コロナウィルスが会社の成長を後押ししたと言う。「新型コロナウィルスの感染拡大の最初の10週間で10年間のトレンドを見ました。x多くの人々はその準備ができていませんでした」と同氏。

スウィーニーと共同設立者のMike Gullo(マイク・グルロ)氏とAnthony Roy(アンソニー・ロイ)氏、Justis Blasco(ジャスティス・ブラスコ)氏は、CareerBuilder(キャリアビルダー)かCommissions(コミッションズ)で一緒に働いた経験がある。Commissionsでの経験が、スウィーニー氏と彼の同僚にPopmenuのアイデアを与えた。

Popmenuの共同設立者である、ブレンダン・スウィーニー氏、マイク・グルロ氏、ジャスティス・ブラスコ氏、アンソニー・ロイ氏(画像クレジット:Popmenu)

Commissionsは、地元の不動産業者や仲介業者を支援するためのツールをデザインしていたが、Popmenuは中小企業向けの同じツールをレストランの経営者に提供している。

「私はSaaSでスモールビジネスを支援するためのプレイブックを手に入れました。そして、レストランがYelpやTripadvisorからコントロールを奪い返すのを支援しています」とスウィーニー氏は語る。

ロサンゼルスのChowNowなど、米国には似たようなことをしようといている企業がある。しかし、ChowNowがオンライン注文に力を入れているのに対し、Popmenuはマーケティングとメニューを「ポップ」にすることから始めた。

同社は調達資金を使って、オンプレミスの非接触取引のようなサービスを追加する予定だ。そこから接客からレストランの裏のオペレーションや注文、フルフィルメントサービスへとつながる可能性がある。

既存投資家であるBase10 PartnersやFelicis Venturesが、新規投資家であるBedrock Capitalとともに、同社のシリーズBの資金調達に参加した。Popmenuは、人気バンド Chainsmokersの投資会社であるMantis VCからのコミットメントというかたちで、著名人の資金調達も受けている。

Mantis VCのMilan Koch(ミラノコッホ)氏は、同社はこのようなソフトウェアを望んでいたようだ。同氏は声明で「アレックス、ドリュー、そして私がPopmenuチームに会ったとき、彼らがどれだけレストランの経営者を大切にしているかはすぐにわかりました。世界中のオーナーやホスピタリティグループと密接な関係を持ち、彼らが直面している固有の課題を知っている私たちは、Popmenuの製品が彼らのビジネスにさまざまなかたちで影響を与えのではないかと期待していました」と声明で述べている。

Popmenuのソフトウェアは、1拠点あたり月額269ドル(約2万8300円)から販売されている。

「新型コロナウィルス危機によって、多くの業界でトレンドが急激に加速していますが、特に外食産業は特にそうでしょう。外食産業はこの困難な時代を乗り切るカギとしてテクノロジーを取り入れています。私たちは、業績回復に向けてゲストを引きつけ、コストと複雑さを軽減するための支援をさらに提供したいと考えています」とスウィーニー氏。

カテゴリー:フードテック
タグ:Popmenu、資金調達

画像クレジット:Getty Images

原文へ

(翻訳:TechCrunch Japan)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。