拡大する企業のサイバーセキュリティにおけるデータ管理問題に対処するMonadのプラットフォーム

Monad(モナド)は、さまざまなセキュリティツールからデータを抽出して接続するためのプラットフォームを企業に提供するクラウドセキュリティのスタートアップ企業だ。同社は、Index Ventures(インデックス・ベンチャーズ)が主導したシリーズAラウンドで1700万ドル(約19億円)の資金調達を実施し、ステルス状態から脱した。

Monadが設立された背景には、企業のサイバーセキュリティにおいてデータ管理の課題は拡大しているという確信があった。企業は切断されたログやデータベースの中から、サイロ化された大量の情報を理解して解釈しようするからだ。Monadのセキュリティデータプラットフォームは、企業がセキュリティツールからデータを抽出した後、そのデータを任意のデータウェアハウスに一元化し、データの正規化とリッチ化を行うことで、セキュリティチームがシステムやデータを効果的に保護するために必要な洞察を得られるようにする。

「セキュリティは基本的にビッグデータの問題です」と、Monadの共同設立者であるChristian Almenar(クリスチャン・アルメナー)氏はいう。「顧客は、DevOpsチームやクラウドエンジニアリングチームがアプリケーションを迅速に構築するために必要とするセキュリティデータに、合理化された方法でアクセスできないことが多く、セキュリティやコンプライアンスに関する最も緊急性の高い課題にも対処できません。このセキュリティデータの課題を解決するために、我々はMonadを設立しました。顧客のセキュリティデータをサイロ化されたツールから解放し、任意のデータウェアハウスを介してアクセスできるようにします」。

Sequoia Capital(セコイア・キャピタル)が主導したシードラウンドから12カ月後、Sequoiaも出資した今回のシリーズAラウンドにより、Monadの資金調達総額は1900万ドル(約21億円)となった。この資金によって、Monadはセキュリティデータクラウドプラットフォームの開発規模を拡大することができると述べている。

Monadは2020年5月、セキュリティのベテランであるクリスチャン・アルメナー氏とJacolon Walker(ジャコロン・ウォーカー)氏によって設立された。アルメナー氏は以前、サーバーレスセキュリティのスタートアップ企業であるIntrinsic(イントリンシック)を共同設立した。同社は2019年にVMware(ヴイエムウェア)に買収されている。ウォーカー氏はOpenDoor(オープンドア)、Collective Health(コレクティブ・ヘルス)、Palantir(パランティア)で、CISO(最高情報セキュリティ責任者)やセキュリティエンジニアを務めていた。

画像クレジット:Getty Images

原文へ

(文:Carly Page、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。