持ち運びも簡単なスーツケースサイズの電気自動車用パワーバンク「ZipCharge Go」

ZipCharge(ジップチャージ)は、航続距離で不安を感じている人にガソリン車から電気自動車(EV)への乗り換えを納得させることができるかもしれない新しいタイプのEV用充電プロダクトを発表した。英国のスタートアップZipChargeは、Cop26気候サミットでZipCharge GoというEV用のパワーバンクを披露した。ZipCharge Goは、スーツケースほどの大きさで、重さは約50ポンド(約22キロ)。車輪と格納式ハンドルが付いているので、ユーザーはトランクに入れておいて、充電したいときには簡単に取り出すことができる。

同社によると、車にGoを30分間つなげると、最大20マイル(約32キロ)の走行が可能になる。さらに容量を増やしたバージョンでは、最大40マイル(約64キロ)走行分を給電できる。このデバイスは、タイプ2のソケットを備えたプラグインハイブリッド車とEVに対応し、30分から1時間で車をフル充電することができる。デバイスそのものの充電はコンセントに差し込むだけで簡単に行うことができる。また、ユーザーはアプリを使ってデバイスの操作やモニタリングを行い、充電をオフピークの時間帯に予約して電気代を安く抑えられることができる。

航続距離への不安は最近ではあまり問題にならなくなっているが、それでもまだEVへの乗り換えに踏み出せないでいる人がいる。この問題を解決するために、Gogoro(ゴゴロ)はスクーター用の交換可能なバッテリー技術を開発したが、EVのバッテリーは通常、交換できない。SparkCharge(スパークチャージ)にはRoadieというポータブルEV充電システムがあるが、Goのように持ち運びは簡単ではない。

とはいえ、ZipCharge Goはまだ発売されていない。InsideEVsによると、ZipChargeは、4kWhと8kWhのバージョンをリリースし、2022年の第4四半期に発送を開始する予定だという。最低月額49ポンド(約7600円)でリースすることができるが、1台分のお金を払うことを気にしないEV所有者や、充電設備を設置していないホテルなどの事業者は購入することもできる。ZipChargeはまだ価格を明らかにしていないが、The Sunday TimesのDrivingセクションによると、7.2kWの家庭用充電ポート設置と同程度の価格での販売を目指しているとのことだ。

編集部注:本稿の初出はEngadget。執筆者のMariella MoonはEngadgetの寄稿者。

画像クレジット:ZipCharge

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(文:Mariella Moon、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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