提携プラットフォームのCrossbeamが約26億円調達、他社連携時のデータ統合を自動化

営業部隊が他の企業と提携するときは、アカウントマッピングと呼ばれるプロセスで共通の顧客や見込み客を探す。通常これはスプレッドシートで管理され、ほぼ手作業で行われる。米国フィラデルフィアのスタートアップであるCrossbeam(クロスビーム)は、提携データの統合を自動化する方法を考えた。同社は8月6日、シリーズBで2500万ドル(約26億円)を調達したと発表した。

Redpoint Venturesがこのラウンドをリードした。既存の投資家からFirstMark Capital、Salesforce Ventures、Slack Fund、Uncork Capitalが、新しい投資家としてOkta Venturesと提携の業界団体であるPartnership Leadersが参加した。全体としては典型的なVCと戦略的投資家の興味深い組み合わせであり、Crossbeamはビジネスが成長するに従い彼らと連携できる可能性がある。

今回の資金調達は、2018年の350万ドル(約4億円)のシードラウンドと、1年前の1250万ドル(約13億円)のシリーズA(未訳記事)に続くものだ。同社はこれまで合計で4100万ドル(約43億円)を調達した。

Crossbeamの着実な成長に注目した投資家がCEO兼共同創業者のBob Moore(ボブ・ムーア)氏にアプローチしてきたと同氏は語る。同氏によると、本当は来年までは資金調達しないつもりだったが、訪れた機会を利用することにした。

このプラットフォームには自然なネットワーク効果が組み込まれており、現在900社以上が利用している。新しい会社は参加すると提携先に声をかける。声をかけられた提携相手は、別の提携先に声をかけることができる。こうして労力をかけずに一定の販売活動が生まれる。

「資金調達活動は行なっていなかったが、Redpointが当社に目をつけた。彼らはプロダクトの実現可能性を理解していたのだと思う。また、彼らのポートフォリオ企業やそれ以外の企業がどの程度利用していたかも見ていた」とムーア氏はTechCrunchに語った。

画像クレジット:Crossbeam

プロダクトへの関心を高めるために、同社は新しい無料利用枠も発表した。従来の限定的な無料トライアルと月額500ドル(約5万3000円)の「スターターレベル」に代わるものだ。従来、スターターレベルに移らなかった場合、トライアルが終了するとデータが失われていた。

「このアイデアはデータから得た。参加企業が一度ドアを開けて実際にデータにアクセスできれば、彼らにとって非常に大きい価値が生まれ、非常に高いROI(投資効果)が実現されることがわかった。無料トライアルでデータが消える心配もない」とムーア氏は説明した。

ムーア氏によると、同社には現在28人の従業員がいる。今後数カ月以内に新しい人員を採用する野心的な計画があり、2021年初頭までに従業員は50名に達すると見込む。ムーア氏は「会社が人事面で大きく変化するにつれ、多様性が計画の最前線かつ中心に据えられた」と語った。

「Crossbeamに限って言えば、当社は多様性、公平性、包摂性、そして会社にいる人々のために当社が生み出す文化的経験を採用プロセスに確実に組み込んだ」と同氏は述べた。具体的な人数は明かさなかったが、特に最近の採用で進捗があったと語った。

同社はフィリーにオフィスを構えているが、新型コロナウイルス直撃前も従業員の約半数が在宅で勤務する「リモートファースト」の組織だった。「当社の文化は、リモートチームのメンバーが会社生活のあらゆる面で一流の市民でいられるよう構築されたものだと思う。そのため当社ではすべての仕組み、技術、手続きが整っていた。オフィスを閉めても想定どおりスムーズに移行できた」と同氏は述べた。

画像クレジット:Klaus Vedfelt / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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