政府契約企業のHuawei、ZTEの機器の使用禁止法案、米議会に上程

最近アメリカ市場におけるHuaweiのスマートフォンの取扱をAT&Tが拒否したところだが、Huawei、ZTEという世界最大規模の中国のテクノロジー企業の前途にさらに暗雲が現れた。

Huawei、ZTEの両社はスマートフォンが有名だが、ビジネスの中心はむしろテレコム・ネットワークに関連するデバイスの供給、運用にある。アメリカ議会に新たに提案された法案は、セキュリティー上の問題を理由として、連邦政府諸機関が両社製のネットワークデバイスを使用しているサービス・プロバイダーを利用することを一切禁止するものだ。

法案を提出したのはテキサス州選出のMichael Conaway下院議員(共和党)で、同議員は 選挙に対するロシアの干渉を調査するチームのリーダーでもある。 テレコム機器の販売でHuaweiは世界でトップ、ZTEは5位だが、アメリカでは両社に対する制裁が続いていた。これにはZTEのデバイスをアメリカ政府機関が購入することを禁止する2013年の法律などが含まれる。昨年は国防省が中国あるいはロシアのテレコム企業の機器を購入することを禁止することを狙う法律が提案されている

今回の新法案は、制裁をさらに一歩進め、アメリカ政府機関がHuaweiおよびZTE製の機器と関わりをもつことを一切禁止しようとするものだ。政府契約には下請けの長い連鎖があるが、両社の機器はそこから排除される。

この法案は、政府が以下のようなサードパーティー企業と契約することを禁じようとしている。

  • Huawei Technologies CompanyまたZTE Corporation(およびその傘下、関連企業を含む)〔以下、対象企業〕が製造したテレコミュニケーション機器を使用する企業
  • 対象企業が提供するテレコミュニケーション・ネットワークあるいは対象企業が製造した機器を用いるネットワークを提供する企業
  • テレコミュニケーション機器またはサービスを提供する企業であって、契約を所管する政府機関の責任者が(別に定める)外国政府の所有、管理、あるいは影響下にあると信じる合理的理由がある企業

TechCrunchはZTEとHuaweiにコメントを求めているが、この記事の執筆時点では回答がない。

Conawayの法案には、提案理由として【略】ZTE、Huaweiその他の中国企業が「中国共産党から直接の指示を受けている」とした政府機関の調査結果」やCIAのMichael Hayden元長官が「Huaweiは中国政府と極めて密接な関係にあり、外国におけるテレコミュニケーション事業において得た情報を広汎に政府と共有している」としたコメントを引用している。【略】

法案が実際に法律として成立するまでにはまだ長い道のりが控えているものの、ワシントンがますますZTEとHuaweiの排除に傾いていることは疑いない。

昨年、ZTEは10億ドルの罰金を課せられている。ZTEはアメリカのイランに対する経済制裁に違反してアメリカからイランにプロダクトを輸出した上に、連邦政府による調査に対して虚偽を申し立てたことを認め、罰金を支払うことでアメリカ政府と和解している。

シリア、キューバ、イラン、スーダンとのHuaweiのビジネスについてアメリカ商務省も関心を示している

@paulmozurが法案を発見した) 

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。