数百円のおつりから投資を始める――ウェルスナビの資産運用アプリ「マメタス」がローンチ

資産運用というとなんとなく難しいイメージがあるかもしれない。ロボアドバイザーによる資産運用サービスを提供するウェルスナビはそうしたイメージを払拭し、数百円からでも資産運用を気軽に始められるようにしたい考えのようだ。

ウェルスナビは本日、おつりで資産運用を始められるiOSアプリ「マメタス」をローンチした。マメタスはクレジットカードで支払った時のおつり分を計算し、毎月一定の額をウェルスナビのロボアドバイザーによる資産運用に回す。

マメタスを利用するにはウェルスナビのアカウントを持っている必要がある。現在対応しているのは、「WealthNavi for 住信SBIネット銀行」のアカウントを持ち、自動積立を設定している人のみだが、今後順次対象サービスを拡大していく予定だ。

ユーザーはマメタスにクレジットカード情報を登録し、100円、500円、1000円からおつりの金額を設定する。例えば、これを100円と設定した場合、お会計が120円だった時のおつりは80円になる。500円だと380円だ。マメタスは1ヶ月に1回、おつりの総額を計算し、ウェルスナビのアカウントと連携しているユーザーの銀行口座から資産運用へと資金を回す仕組みだ。

クレジットカードを使う頻度は人によって違うため、どれくらい1ヶ月で資産運用に回るかは一概には言えないが、例えば100円でおつりを計算した場合、1回のおつりの平均は50円となる。1日5回使った場合は250円になり、1ヶ月だと7、8000円くらいの積み立てるとなる計算だ。

また、マメタスにはおつり以外にも追加で投資に回す額を設定したり、毎日一定額を自動で積み立てたりする機能もある。

ただ、本当にユーザーが数百円から資産運用できるようになるのはまだ少し先の話のようだ。現段階でマメタスを利用できのは、「WealthNavi for 住信SBIネット銀行」のユーザーのみで、このサービスを利用開始するには30万円の預け入れが必要だ。今後法整備が進み、銀行APIやフィンテック関連企業による次世代のインフラが整えば、数万円、数千円からの資産運用も可能になるだろうとウェルスナビ、代表取締役CEOの柴山和久氏は説明する。

ウェルスナビ、代表取締役CEOの柴山和久氏

ウェルスナビのロボアドバイザーサービス自体は2016年7月にサービスをリリースして以降、申し込み件数は2万1000件、預かり資産は100億円を超えたという。ウェルスナビは自社で提供しているWealthNaviとSBI系金融機関と提携しているサービス(「WealthNavi for 住信SBIネット銀行」と「WealthNavi for SBI証券」)があるが、預かり資産の3分の2はSBIと提携しているサービスからの流入という。

ウェルスナビの利用者の9割は資産運用の経験者だが、今後は投資未経験者にも気軽に投資を始められるサービスを提供したいと柴山氏は話している。

ちなみにマメタスでおつりを計算するためにユーザーのクレジットカード情報を読み取る機能は資産管理アプリを提供するMoneytreeのAPI「MT LINK」を使用しているそうだ。徐々にではあるが、APIによる次世代の金融インフラが整い始めていると言えるのかもしれない。

Moneytreeとマメタスの連携画面のイメージ図

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TechCrunch Japan

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