敷金や礼金、仲介手数料なしで都内に住める「OYO LIFE」、物件探しから契約までスマホでOK

インドのOYO(オヨ)とヤフーの合弁会社として、賃貸住宅事業を展開するOYO TECHNOLOGY&HOSPITALITY JAPANは3月28日、物件探しから入居までをスマホからワンストップで行える不動産賃貸サービス「OYO LIFE」(オヨ ライフ)を開始した。同時に、家具レンタルや家事代行などのサブスクリプションサービスを利用できる「OYO PASSPORT」と、都内でOYO LIFEの物件探せるリアル店舗「OYO Partner不動産」も利用可能になった。

OYO LIFEは、物件探しから契約、支払いのインフラ整備までの一連のサービスをまとめて提供する。2年縛り契約や敷金、礼金といった賃貸物件の慣例をなくし、マンションや一軒家に気軽に住み替えられるのが特徴だ。OYO LIFEは2月20日のサービス発表のあと、1万3000名を超えるユーザーが事前登録しており、同社ではサービス開始に合わせて3月28日現在で1000室以上の物件を確保したとのこと。

居室設備としては、洗濯機、冷蔵庫、掃除機、テーブル、電気ケトル、ハンガー、ゴミ箱、テレビ、電子レンジ、エアコン、ベッド、デスク、チェア、居室照明器具、ラグ、バスマット、遮光・レースカーテン、タオル、シーツ、キッチン用具、食器、Wi-Fiなどを完備。つまり、出張や旅行のように利用者は着替えなどを用意するだけでいい。

家賃は、マンションタイプが10万円~100万円、一軒家タイプが30万円~100万円、シェアハウスタイプが5万円~8万円で、そのほか共益費・清掃費が必要となる。書面による契約書のやり取りを済ませれば、91日以上のロングステイも可能だ。試し住みの導入も検討しており、徐々に検証しながら年内に実施予定とのこと。

実際にOYO LIFEのサイトを見ると、駅徒歩10分以内で専有面積が20平米前後の1Kや1DKのマンションで月額賃料が13万〜15万円となっており、一般的な賃貸物件に比べると少し高い。しかし初期コストが不要なので、東京に長期滞在する際のホテル代わりや、仕事の繁忙期などに一時的なセカンドハウスに使うにはリーズナブルだろう。


サブスクリプションサービスのOYO PASSPORTは、OYO LIFEの入居者に対して提携パートナーのサービスを入居後1カ月間無料で利用できるサービス。現時点で利用できるサービスは、Carstayが提供する車中泊スポットのシェアリングサービス「Carstay」、Keeylsが提供するシェアオフィス「KEYSTATION OFFICE」、クラスが提供する家具・インテリア・家電のサブスクリプションサービス「CLAS」、ディー・エヌ・エーが提供する個人間カーシェアリングサービス「Anyca」、ピーステックラボが提供する家電・日用グッズのレンタルサービス「Alice.style」、ベアーズが提供する家事代行サービス「Bears」となっている。同社は、今後もOYO PASSPROTのパートナー企業を増やしてサービスを充実させる予定で、パートナー企業の募集も随時受け付けている。

OYO Partner不動産は、リアル店舗を構える不動産業者がOYO LIFEの物件を紹介できるサービス。すでに六本木や麻布十番など都内を中心に30店舗を展開している。不動産店舗側には加盟手数料なしで「OYO LIFE」の物件を取り扱える。こちらも提携希望の企業を募集している。

類似のサービスとしては、アドレスが展開する空き家を活用した定額住み放題の「ADDressがある。こちらは月額5万円(もしくは年額48万円)のサブスクリプションサービス。連続で住める期間は1週間という制限があるが、都内以外に千葉県南房総市や神奈川県鎌倉市などの都内近郊から、群馬県、静岡県、福井県、徳島県など地方にも物件を展開しており、ウィークリーマンションやホテル代わりに短期滞在するといった用途に向いている。

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TechCrunch Japan

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