新しいビーストはキャデラックCT6――2018年版大統領専用車がニューヨークに現れた

大統領専用車の最新モデルがニューヨークの公道上で目撃された。その重装備から「ビースト」と呼ばれる大統領リムジンは、今回もキャデラックがベースだった。同型リムジン2台が作成されて車列に入り、大統領のセキュリティをさらに高める。

GMが製作した新しい装甲リムジンはキャデラックCT6がベースだ(よく観察するとキャデラックEscaladeの影響も感じられる)。 オバマ政権時代に製作された現行モデルはキャデラックDTSベースだった。

大統領の身辺警護を担当するシークレットサービスは大統領専用車の製造にあたって詳しい仕様を指定する。大統領の執務に必要な各種の室内装備はもちろん、強固な防弾能力やその大重量に耐えられる強化シャーシーなどだ。このためシャーシーはGMのトラックのプラットフォームが用いられる。セキュリティー上の理由により技術的詳細は明かしていないものの、GMの広報はTechCrunchに次のような声明を送ってきた。

アメリカの偉大な伝統の一部である大統領専用車の設計、製造を任されたことはGMの大きな名誉だ。数多くの大統領に仕えてきたキャデラック・リムジンの豊かな遺産を受け継ぎ、新しいキャデラックもGMのスタイルとクラフツマンシップを十分に活かしたものとなっている。デトロイトでデザインと製造が行われたこのリムジンはキャデラックCT6に外観が類似している。残念ながらセキュリティー上の理由によりそれ以上の詳細を明かすことはできない。

GMは連邦政府が「次世代パレード・リムジン・プログラム」と呼ぶ1580万ドルの契約を勝ち取っていた。GMはこれ以外にも自動車や関連する補給に関し数千万ドルに上る契約をシークレットサービスと結んでいる。

さる日曜にニューヨークの公道で装甲CT6が目撃された背景は、今週マンハッタンの国連本部で開催される総会に大統領が出席するためだろう。シークレットサービスは新リムジンについてTwitterに写真付きで投稿していた。

新しいプレジデンシャル・リムジンがこれまでのモデルと同様の機能を備えているなら分厚い防弾ガラスから大統領の血液型に対応した血液製剤、化学兵器に対抗する空気ボンベまでほとんどあらゆる攻撃に耐える生存性があるはずだ。

キャデラックDTSベースの現行ビーストは2009年にオバマ大統領の就任式でお目見えした。タイヤは19.5インチ、乗客定員5人、インテリアには大統領用の折りたたみデスクなどを備える。

〔日本版〕大統領専用車のヘッドライトはEscaledeに似ている。

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滑川海彦@Facebook Google+

投稿者:

TechCrunch Japan

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