新世代プログラミング学習サービス「Progate」にiOSアプリ、専用キーボードでPC同様の学習が可能に

ウェブブラウザ1つで、スライド教材と実際のコーディング、さらに初心者にはハードルの高い、実行環境の構築までをワンストップで提供する新スタイルのプログラミング学習サービス「Progate(プロゲート)」。サービスを提供するProgateが1月25日、iOS版の学習アプリをリリースした。App Storeより無料でダウンロードできる。

Progateは2014年7月の設立。これまでにフリークアウトグループやディー・エヌ・エー、East Venturesのほか、エンジェル投資家として、ロンドンブーツの田村淳氏やメルカリ代表取締役会長兼CEOの山田進太郎氏らから資金を調達している。

Progate代表取締役社長の加藤將倫氏(右)、取締役CTOの村井謙太氏(左)

同社は東京大学の学生だった代表取締役社長の加藤將倫氏、取締役CTOの村井謙太氏らが共同で創業。自らが最初にプログラミング学習に苦しんだことから、サービスの開発に着手したのがProgateだ。サービスについては以前にも詳しく紹介しているのだが、世にあるプログラミング学習サービスの多くは、いかに動画やスライドといった教材が優れていようが、結局は学習者が自身で環境構築をして、その上でコーディングをしないと、実践的なトレーニングはできない。

これに対してProgateでは、ブラウザ上で教材を表示、さらにブラウザ上にエディタを用意して実際のコーディングができる環境を用意。書いたコードもブラウザ上でその結果がリアルタイムにプレビュー画面に表示されるため、文字通りブラウザ1つで教材の学習から学習内容の実践までができるのがウリだ。

 

ウェブ版ProgateのUI。左が解説部でスライド呼び出しボタンが付いている。中央でコードを編集し、右にプレビューが表示される

HTML&CSSから始まり、RubyにPythonにSwift、SQLなど14のコース(1コースあたり3〜5レッスン程度)を用意。基本のレッスンは無料で学習可能で、すべてのレッスンを受けられる有料会員は月額980円となっている。現在のユーザーは国内20万人、海外版も展開しており、インドや米国を中心に3万人が利用する。また最近では非エンジニア人材も含めた法人ニーズも高まっているそう。例えばマーケティング部門がSQLを学び、自身でデータを取り扱えることを目指すなんてケースがあるそうだ。また2020年のプログラミング教育必修化に先駆けて機能を限定した無料のアカデミックプランも用意。すでに60校の中学校、高校が利用しているという。

今回リリースされたiOSアプリは、そのProgateの教材をほぼそのままアプリに落とし込んだもの。学習者はアプリ上で教材を読んで学習し、専用のキーボードを使って、実際にコーディングすることができる。コーディングの結果はウェブ同様、リアルタイムにプレビュー画面に表示される。

実際にデモを体験したのだが、この専用キーボードがよくできている。学習系のアプリは数多くあれど、狭いスマートフォンの画面上でQWERTYキーボードを表示するわけにも行かず、4択などのクイズ形式を採ることがほとんど。だがProgateでは、課題に対して必要な(時には不必要なものも)キーだけをそろえた小さなキーボードを表示。これによって、スマートフォンという画面の制約がある中でも、可能な限り実際のコーディングに近いUIを実現しているという。

iOS版ProgateのUI

「(ウェブ版の)Progateも相当学びやすいサービスだと考えていたが、中高生ではそもそもPCを持っていない人も多く、タイピングでつまずくということも多い。母校の中学校にプログラミングを教えに行ってそれに気付いたのが2017年の夏。それが今回のアプリの企画とリンクしている。スマートフォンでどうコードを入力させるか、一方でオモチャではない、しっかりした学習プロダクトにしうるかが課題だった。また自分たちも最初に経験した『プログラミングが怖いもの』という思いが植え付けられないようにと考えていった」(加藤氏)

現在はHTML&CSSの教材のみが提供(無料)されるが、今後は半年をめどにコンテンツを拡大。ウェブ版同様月額課金でのコンテンツも提供していくという。またAndroid版の提供(3月以降)や、学習進度などのウェブ・アプリ連携なども予定している。

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TechCrunch Japan

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