新型コロナでテック製造拠点の多様化、プロセス自動化が進む

世界のあらゆる業界同様に、製造部門も新型コロナウイルスに不意を突かれた。エレクトロニクス製造の大半を担っている中国は新型コロナの最初のグローバルエピセンターだった。そして当然のことながら業界は、世界が1世紀以上経験したことがなかったスケールのパンデミックの影響から逃れることはできなかった。

「いい対応ができた人はいない」とAnker(アンカー)の創業者でCEOのSteven Yang(スティーブン・ヤン)氏はDisruptのインタビューで語った。「みな不意を突かれたと思う。当社の中国オフィスでは、従業員は旧正月休暇の準備をしていた。最初の対応はというと、休暇が1週間延長され、その後さらにもう数日延長された。人々はただ仕事を休んでいた。いつ仕事に戻れるかは決められていなかった。その時期は最も憂慮するものだった。というのも、見通しが立っていなかったからだ。確実性を模索する必要があった。人々は自宅から働き、必需品を揃えたりしなければならなかった。最初の3〜4週間が一番カオスだった」

パンデミック初期のインパクトは、世界の隅々のハードウェア産業に衝撃を送るという連鎖反応を引き起こし続けた。2020年初め、世界中の誰もが新型コロナの新たな感染拡大はいくつかのエリアでのもので、そう遠くに及ばないだろうと高ををくくっていた。しかし最終的には世界の大部分が急停止することになった。

特に製造が業務停止で最初に苦しんだ。すぐに需要減という影響が供給面にも及んだ。経済停滞と失業の急増はさまざまなエレクトロニクスに対する消費者需要を直撃した。PCのような一部の部門はライフスタイルのシフトで恩恵を受けたが、全体的には可処分所得の減少は業界に大きな打撃を与えた。

製造面では、新型コロナはそれまでのトレンドを推進させる方向に作用した。「新型コロナがこの脱分極をある程度加速させたと思う」とArevo(アレボ)のCEO、Sonny Vu(ソニー・ブー)氏は説明する。「さまざまなソフト製品、ハードウェアを目にしている」。大半の時間をベトナム・ホーチミン市で過ごす同氏は、新型コロナの出現により中国以外のところで製造拠点が増加することになったと指摘する。製造拠点を置く場所として人気がある東南アジアやインドなどは、将来似たような問題が発生したときに備えようと製造拠点の多様化を検討している企業にとってこれまでにも増して魅力的になっている。

ロボティクスや自動化は、今後加速すると思われるもう1つの鍵を握る要素だ。メーカーは、病気になったりウイルスの感染の増加を心配する必要がない合理的なプロセスに目を向けている。

「自動化は効率的であるだけでなく、効果的だと信じている。当社はロボティック自動化にかなり投資した」とヤン氏は話す。「ワイヤを穴に挿し込むとする。この作業を行うロボットのコストは一定で、はっきりとはしないが労働者1人の給料20年分くらいだろう。全ての組み立てラインをロボットにするのはかなり困難だがやりがいがある」。

画像クレジット: Prasit photo / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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