新型コロナ危機で米国とメキシコ間の国境を閉鎖、貿易や商業は対象外

新型コロナウイルスの拡散を抑制するための移動制限に関する最新の取り組みとして、トランプ大統領はメキシコとの国境の閉鎖を命じた。ただし、必要不可欠な移動は対象外とする。先週初めには米国とカナダが互いの合意のもとに、必要不可欠ではない行き来を対象に少なくとも30日間国境を閉鎖すると発表した。急を要する重要な出張や商業輸送は含まれない。

トランプ大統領はすでにメキシコとの国境で米国への入国を最小に抑える策を取っている。CNNが今週初めに報じたように、移民や亡命希望者を阻止する追加の策だ。米国はまた、3月19日に自国民に対し国外へ移動しないよう警告を出した。大統領は国内移動の制限も感染拡大の状況によってはあり得るとした。

Mike Pompeo(マイク・ポンペオ)国務長官は米国・メキシコ間の国境閉鎖を3月20日に発表し、その際、メキシコ政府と協調して閉鎖を決めたとした。トランプ大統領は、米国とメキシコの国境閉鎖は「不必要な移動」が対象で、貿易や商業、教育、医療などが目的のものは対象外だと述べた。この対応はカナダとの国境閉鎖をほぼ踏襲している。大統領はまた、メキシコが欧州からの空路入国を禁止し、米国の南部国境エリアを守ることになるとも付け加えた。

大統領は、越境移動の制限に関して、カナダ、メキシコとのそれぞれの国境が同様に扱われるとも述べた。米国・メキシコ間の国境閉鎖は3月21日からだ。

米国は3月21日午前零時から「CDC勧告」を導入する。これはCDC(米疾病予防管理センター)がどちらの国境でも、合法的な入国のための正式な書類を持っていない人に対して入国をその場で拒否できるようにするものだ。国境を超える際に税関・国境警備局の施設で行われてきたプロセスに置き換わるものとなる。この点についてトランプ大統領は後に「国境を越えようと試みた個人は国籍を有する国に戻ることになる」と明確にした。

これは究極の策だ。「『国境設備では現行のまま移民に対処しながら、新型コロナウイルス感染を回避するためのCDCの方針に従うことはできない』という問題を解決する措置」とホワイトハウスは説明している。これは政治亡命や難民認定を模索する個人をも拒否することを意味する。人道、そして人権という点で危険なものだ。それでも国立衛生研究所やホワイトハウスの新型コロナタスクフォースメンバーのAnthony Fauci(アンソニー・ファウチ)博士は3月20日の会見で、国境閉鎖という手段を効果的なものにするには、米国へのすべての入国に等しく適用されなければならないと話した。

画像クレジット:Omar Martínez / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi