施主と解体⼯事会社をマッチングする⼀括⾒積もりサービス「くらそうね」のβ版がリリース、1.5億円の資金調達も発表

写真中央がクラッソーネ代表取締役、川口哲平氏

解体⼯事・外構⼯事の3社⼀括⾒積もりサービスを運営するクラッソーネは8月1日、LINEを使った解体⼯事の⼀括⾒積もりサービス「くらそうね」のβ版を愛知県限定で提供開始した。

くらそうねは、 物件の住所などに関する簡単な質問に答えるだけで、解体工事の⾒積もりを提示してもらえるサービス。最⼤10社の⼯事⾒積もりが、最短1⽇から随時閲覧可能となる。

スマホでLINEアプリを使い、場所、時期、予算などの項目をチャットボットに伝えると、見積もりが送られてくる。ユーザーはその見積もりのリストを「安い順」、「現場に近い順」、「過去の評価が高い順」などに並び替え、1社の工事会社を選ぶ。

くらそうねのUI

クラッソーネ代表取締役の川口哲平氏は、2つの課題が存在したため、くらそうねの開発に至ったと説明する。1つ目は、解体工事を依頼する際、昔ながらの一括見積もりサービスしか選択肢がなかったため、「依頼するとたくさんの電話がかかってくる」、「見積もりが出るまで数週間かかってしまう」、というのUXが当たり前の状態だった、ということ。そして2つ目は、解体を比較する要素はが値段しかなかった、ということだ。

「ユーザーは『トラブルなくちゃんとやってほしい』と考えている。だが、値段以外の『トラブルなくちゃんと』といった要素が見える化されていないため、値段でしか選べない。そうすると、ちゃんとやっていないのに安いところが選ばれてしまうという現状がある」(川口氏)。

上記のような課題を解決するため、くらそうねではユーザーが工事会社を「応対マナー」、「追加費⽤」、「⼯事品質」、「⼯期遵守」、「近隣配慮」といった項目でレーティング。そうすることで、値段以外の部分を「見える化」することを目指している。料金以外の判断基準が増えることは、施主にとっても、「ちゃんとした」⼯事会社にとっても、メリットとなると言えるだろう。

また、解体⼯事をはじめとする建設業界は多重下請構造になっているため、多額の中間マージンが⼯事料⾦に上乗せされるため、施主の負担が重くなるだけでなく、下請けの⼯事会社の利益を圧迫しているという現状もある、と川口氏は話す。そのため、くらそうねでは、施主と⼯事会社を直接繋げることにより、中間マージンの発⽣を抑え、適正な価格での工事の実現も目指している。

川口氏いわく、解体業界は「地味だが大きくて伸びている、プレイヤーがいない業界」。同氏は「年間で約50万棟が解体され、市場規模も1.7兆円。解体は今後も増えていく見込みのため、市場は4兆円規模に伸びるのではないかと考えている」と説明した。

クラッソーネは同日、リード投資家のオプトベンチャーズ、静岡キャピタル、三⽣キャピタルを引受先とした第三者割当増資により、総額1.5億円の資⾦調達を実施したと併せて発表している。川口氏いわく、同社は調達した資金をもとに開発体制を強化していく。

「今回の新しいサービスは、まずβ版を愛知県で、30社限定で運営をスタートする。ブラッシュアップした後に、他地域にも広めていく」(川口氏)。

また、くらそうねでは解体工事の費用のデータが集まるのため、最終的には見積もりが即時に出るサービスを目指していくと川口氏は話していた。「今は24時間で10社出るようにしているが、究極、1分で10社、1分で100社の見積もりが出るサービスとなる」(川口氏)。

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TechCrunch Japan

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