日本版インスタカート「Twidy」が日産と提携、共同で大型マンション向けの実証実験へ

写真右端がダブルフロンティア代表取締役の八木橋裕氏

買い物代行サービス「Twidy(ツイディ)」を展開するダブルフロンティアは2月18日、日産自動車と同事業における戦略的提携に合意したことを明らかにした。両社では今夏からの共同事業開始に向けて、4月にも実証実験に取り組む計画だという。

Twidyは買い物を依頼したい人(注文者/リクエスタ)と、買い物を代行して商品を届けてくれる人(代行者/クルー)を繋ぐサービスだ。特にキャリアウーマンや子育て中の主婦が注文者として利用するケースが多く、忙しくて自分で買い物に行くことが難しい際などに、“近所のスーパーでの買い物”をクルーに依頼する。

地域に密着していることもあり、最短1時間で自宅に届くスピード感が特徴。サービス上から欲しい商品と希望の日時を選んで選択すれば、自宅まで商品が配送される。配送時間も11時から22時まで対応しているので、夕食の準備をしていて急遽足りないものに気づいた場合などにも使えそうだ。現在はライフ渋谷東店を対象に周辺エリアでサービスを展開している。

Twidyはダブルフロンティア代表取締役の八木橋裕氏がアメリカの「Instacart(インスタカート)」をヒントに開発したものだ。将来的にはC2Cの買い物代行(近所の主婦に“ついでに”買い物を依頼できるイメージ)を実現する構想もあるが、スタート時はクルーの作業を商品購入担当と配送担当で分担。前者をダブルフロンティアのパートスタッフが、後者を日経新聞の配達員が担っていた。

今回の日産との協業を通じて、今後Twidyに日産の自動車を組み合わせる形でサービスを展開する計画。共同事業の第一弾「Twidy Mansion(ツイディ マンション)」ではクルーが軽商用車NV100クリッパーを使用して商品を届ける。

大型マンションを対象とするTwidy Mansionでは、これまで分担していた商品の購入と配達を同じスタッフが担う。昨年ダブルフロンティアに出資をしている東京電力グループとタッグを組み(東京電力フロンティアパートナーズから昨秋に出資を受けている)、同グループで抱える電力検針員たちが空き時間を活用してクルーになる。

イメージとしては、対象となるマンションの空き駐車場に車NV100クリッパーを常備しておき、近隣にいる電力検針員がクルーとなって買い物代行作業を担当する形。4月から品川エリアのマンションにて実証実験に取り組む方針で、まずは1日あたり1回の配送を予定しているそう。主に「ワーキングママが仕事先から商品を注文しておくと、帰宅時には自宅に届いている」といった使い方を想定しているという。

Twidy Mansionの概要(画像はダブルフロンティアより提供)

これまでのTwidyが1時間単位で買い物を依頼できていたことに比べると、Twidy Mansionでは配送の時間帯や回数が固定されることで、正直そのメリットが薄くなる気もする。八木橋氏によるとその辺りは実証実験での反応も見ながら今後の方針を決めるとのこと。1回に複数件の商品を届ければ配送料を抑えられるため、従来よりも代行料(現在は注文時に1回あたり430円を払う仕組み)を安くできる可能性もあるということだった。

今回の共同事業では従来のネットスーパー宅配事業で使用されている黒・緑ナンバー車両ではなく、お買い物代行事業の領域とした白・黄色ナンバー車両を活用している。ダブルフロンティアではこの仕組みを全国的に広げることも計画していて、今後各地のパートナー開拓にも力を入れる予定だ。

また日産とも今回のTwidy Mansionに限らず別の形でも協業を見据える。同社ではカーシェアリングサービス「NISSAN e-シェアモビ」などを手がけているが、こうしたサービスとの連携なども考えられそうだ。

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TechCrunch Japan

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